<オールスターゲーム:全セ5-5全パ>第2戦◇24日◇ハードオフ新潟

 両リーグの「スピードスター」が夢舞台で躍動した。全セの1番・ヤクルト青木宣親外野手(28)は5回の2点三塁打を含む3安打。球宴13年ぶりの1イニング2盗塁も記録し、ベストプレー賞に選出された。

 青木が「爆走」でファンを魅了した。1回、杉内から左前打で出塁。一塁上で浮かべた笑顔は、相手バッテリーを油断させるかのようだった。次打者の坂本への初球、すかさず二塁へスタート。慌てた捕手里崎の送球はワンバウンドとなり、余裕で二盗に成功した。これで終わらない。小笠原への初球に再びスタート。三盗も成功させ、三塁ベース上でまた笑った。球宴では97年第2戦のイチロー(オリックス)以来、1イニング2盗塁の快挙だ。

 5回無死二、三塁では、打球が左翼T-岡田の頭上を越えると一気に三塁へダッシュ。適時三塁打で2打点を稼ぐと、森野の中犠飛にタッチアップで再び猛ダッシュ。中堅糸井のレーザービームとの「競走」に勝ち間一髪、生還した。

 7回には気持ちが先走った。平野が投球動作に入る前に二盗を試みてスタートしてしまい、あえなく盗塁死。97年第1戦の松井稼頭央(西武)の1試合4盗塁の球宴記録更新をもくろんでいた青木は「5盗塁を狙ってたんで、むちゃなスタートを切ってしまった」と苦笑い。“オチ”も忘れず、観客を楽しませた。

 故郷を、どげんかせんといかん気持ちがあった。MVPは逃すも、ベストプレー賞に輝き100万円をゲット。賞金を獲得した場合、口蹄(こうてい)疫問題が深刻な地元宮崎に寄付すると決めていた。「高校野球も無観客で、深刻な状態なので。寄付すると言って(賞金を)取れなかったら格好悪いので、取れて良かった」。神宮、宮崎が会場だった06年の球宴ではMVPに輝き、賞金200万の一部は、その夏に集中豪雨が襲った宮崎に寄付した。地元九州での晴れ舞台となった23日は1安打。1日遅れだが、新潟から宮崎へ勇気と夢を与える激走劇だった。【由本裕貴】

 [2010年7月25日9時33分

 紙面から]ソーシャルブックマーク