<巨人3-10中日>◇27日◇長野

 落合竜がどとうの連打で巨人を粉砕した。同点の5回、2死からの6連打で一挙に5点を奪って勝負を決めた。3番森野将彦内野手(32)が誕生日前祝いとなる12号決勝2ランを放つなど、先発全員の16安打で10得点の圧倒。これで巨人戦は4連勝、球宴前からの連勝は今季最多7まで伸びた。首位は阪神に入れ替わったが、ついに頂点まで2・5ゲーム差。逆転優勝がどんどん現実味を帯びてきた。

 3連覇中の王者をねじ伏せた。勢いの差を見せつけた。3-3で迎えた5回2死からだった。大島が左前打で出塁すると、打席には森野。巨人先発ゴンザレスの初球を迷いなく振り切った。「完ぺきでした」。長野の夜空に舞い上がった打球は右翼席への12号勝ち越し2ラン。きょう32歳の誕生日を迎える男が、自らのバットで前祝いした。

 これだけでは終わらない。ブランコが右前、和田が左前へはじき返して二、三塁としてゴンザレスをマウンドから引きずり下ろすと、今季2試合目のスタメン出場となった堂上剛が2番手星野の変化球をとらえて2点タイムリー。最後は谷繁が左翼線を破ってこの回、一挙5点。2死からの6連打で勝負を決めた。

 先発全員となる16安打10得点で巨人に4連勝。昨季0勝4敗と天敵だったゴンザレスにはこれで5戦5勝だ。球宴を挟んで今季最多7連勝を飾った落合監督は冷静に振り返った。

 「打線?

 いや、きょうもピッチャーだよ。そういう意味であの5点が大きかったけどな。(森野は)これまでが悪すぎただけにな。兆しはあるかな」。

 球宴直前に5試合連続完封のプロ野球タイ記録を達成した投手陣だけでなく、打線の核である森野が復調の兆しを見せたことがさらなる連勝を予感させる。首位は阪神に入れ替わったが、快進撃で巨人に2ゲーム差まで迫った。

 「つかんだものはありますよ」。3安打3打点の森野は言った。主軸打者、選手会長として重責を背負う男は前半戦途中からは打撃不振に陥り、20日横浜戦では送りバントのサインを出された。「オレにバントのサインを出させるようなクリーンアップじゃいけないんだけどな」。試合後、落合監督から激辛のエールを頂いた。

 だが、全国に名を売ろうと意気込んで参加した球宴で5打席連続安打を放ってきっかけをつかんだ。後半戦開幕となったこの日の午前中、年下の選手を連れて長野市内の善光寺へ向かった。真夏の太陽の下、じっと手を合わせた。チームリーダーの願いは、逆転優勝以外にはなかった。

 「去年もここまではきましたから。明日が大事なんです」と森野は早くも東京ドームでの第2戦に目を向けた。昨季も後半戦初戦で巨人に勝ち、1・5ゲーム差まで詰め寄った。だが、そこから追いつけず、最後は12ゲームもの大差をつけられ、リーグ3連覇を許した。逆転のドラマはここから-。森野の背中はそう訴えていた。【鈴木忠平】

 [2010年7月28日11時25分

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