<阪神6-3横浜>◇28日◇甲子園

 今季50勝目でVへの視界がまた広がった。阪神が今季3戦3敗と苦手にしていた横浜清水直まで全員攻撃でKOした。7回に2犠打を挟む8打数連続安打の猛攻で6得点。1人、清水と好相性だった城島健司捕手(34)が決勝打を浴びせて、天敵に土をつけた。貯金を今季最多の14に増やし、前回5月は1日天下に終わった首位の座をがっちりキープ。はむかうものはみんななぎ倒すで~。

 逆転を告げる打球がライトの芝に弾んだ。城島は吠え、激しく右拳を突き上げた。珍しく2度、3度とガッツポーズをつくり、喜びを爆発させた。清水には今季3戦3敗。この日も6回まで2安打0封されてきた右腕を、ついにとらえた。「今日の清水さんはバリバリだった。でもみんな頑張っとけばチャンスは来る。今年のタイガースは来ますからね」。一丸で天敵を倒しての首位キープが、うれしくてたまらなかった。

 「低めをしっかり見極めろ」。抑えられるパターンは同じ。和田打撃コーチが円陣で飛ばしたゲキを城島も胸に刻んでいた。ラッキー7。この回の先頭マートンの18打席ぶりヒットを景気づけに、新井が渋く二塁後方に落とす連打。すかさずブラゼルの2点打で追いつき、さらに金本も一、二塁間を破った。同点の無死一、三塁。これほどおいしい場面はない。そして城島だ。

 「併殺シフトでもないし、僕的には三振だけしなければいい楽なケース。カネさんや新井、みんながよくつないでくれた」。カットボールを左手1本でとらえ、ヒーローになった。チームは清水が苦手でも実は13打数6安打、打率4割6分2厘で1人好相性だ。勝負所でこの男に打順が回るのもチームの勢いか。嵐の5連打で一気の逆転。この後単打ばかりの連続安打は8打数まで伸び、11人攻撃6得点の主役になった。

 巨人のサヨナラ勝ちで、負ければ1日天下の危機だった。だが城島を中心に底力を見せつけた後半連勝発進に、真弓監督の笑顔も弾けた。「いいスタートを切りたいと思っていたけど、連勝したので勢いをつけていきたい。首位?

 とにかく貯金だけはどんどん増やしたい」。横浜戦の4敗のうち3敗を喫し、常にカード3連勝を逃す要因となっていた清水のKOは大きな自信。貯金は最多の14だ。

 城島はメッセンジャーらを好リードし、8回にはマルチ安打となる二塁打も記録した。「みなさ~ん。(阪神)清水が『僕が(1軍に)来てから2敗しかしていない、アゲチンです』って言ってます。インタビューしてやってくださ~い」。ロッカーへの帰り道でもジョークは全開。後輩捕手の清水は走って逃げた。今の虎に負けるムードはみじんもない。一気に優勝へ走るムードだけがたっぷりある。【松井清員】

 [2010年7月29日12時53分

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