<阪神3-2中日>◇30日◇甲子園

 どうした吉見!?

 中日吉見一起投手(25)がまた11安打を浴びた。それでも7回3失点と粘ったが、今季6敗目。3試合連続2ケタ被安打はプロ5年目で初という“異変”。7月5試合で1勝3敗、防御率4・59とお疲れ気味で、チームの波にエースが乗れない。

 「最低限のことはできたと思うが、きょうは全体的にボール1、2個分高かった。状態は悪くないけど、いろいろ反省点をしっかり修正していかないと…」

 首位阪神との直接対決。首脳陣は後半戦初カードの巨人戦を避け、球宴から中5日と万全の状態で臨める舞台を吉見に与えた。だが2回に4連打などで2点を失って同点とされると、4回にはフォークの失投を城島に左翼ポール際に運ばれた。自慢の制球が定まらず、落合監督も「勝っても負けても投手ですよ」と吉見の乱調を嘆いた。

 球宴前にチームは球界史上初の5試合連続完封勝ちを収めたが、吉見は1人蚊帳の外だった。これから逆転Vを狙うためにはエースの力は必要不可欠。チェン、山井、中田賢、ネルソン…と、ほかの先発陣が安定感をみせる中、大黒柱の復活が待ち遠しい。

 くしくも来週も阪神と対戦するだけに、次回の登板はリベンジの舞台にもなる。「また来週阪神とやるので、投げるところで頑張りたい」。来週は今季7勝2敗と得意のナゴヤドーム。次こそエースの意地で猛虎打線を9安打以下に抑え込む。【福岡吉央】

 [2010年7月31日10時56分

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