<中日4-1阪神>◇7日◇ナゴヤドーム

 中日堂上直倫内野手(21)が23歳も年上の山本昌を強烈に援護した。1-0で迎えた4回、無死一塁。阪神下柳のスライダーが真ん中高めに浮いてきた。「低めをしっかり見極めようと思った」。完ぺきな打球が左翼スタンドへ着弾すると、右手で小さくガッツポーズ。この3号2ランが試合を決定づけた。

 試合後は、山本昌とお立ち台に上がった。44歳と21歳、親子ほど年の差コンビ掛け合いが実現した。

 山本昌

 僕がいつもファームでハッパをかけていたんで、恩返ししてくれた。

 堂上直

 マサさんには2軍でいつも励ましてもらった。だから今年は絶対活躍すると決めていたんです。

 今季途中まで2軍から抜け出せなかった堂上直に、山本昌はいつも声をかけてくれた。「オレはお前をこんなに小さい時から知ってるんだ。頑張らな、アカンぞ!」。大投手からかけられる1つ1つの言葉が、失いそうになった自信をつなぎ留めてくれた。

 まだ小学生にもなっていないころ、中日の投手だった父・照さん(59)に連れられ、ナゴヤ球場へ行った。堂上少年は球場内にかけてある写真の1つに目を止めた。「大きな人だなあ」。“初対面”から山本昌には圧倒された。当時は雲の上にいた人とのお立ち台は、まさに夢心地だっただろう。

 「マサさんが投げている試合で打ててよかった。200勝の時も(1軍に)いられましたし、何かあるんだろうなと…」。08年8月4日、山本昌が通算200勝を達成した時も堂上直は同じグラウンドにいた。運命の糸で結ばれた大先輩へ、最高の恩返し弾だった。【鈴木忠平】

 [2010年8月8日10時46分

 紙面から]ソーシャルブックマーク