<中日2-3ヤクルト>◇22日◇ナゴヤドーム
やるしかない!
左足の痛みに耐えて出場を続ける和田一浩外野手(38)が24日から始まる巨人戦(東京ドーム)での逆襲を誓った。この日、チームは1点リードの9回に、守護神岩瀬がまさかの2失点を喫して逆転負け。首位阪神と0・5ゲーム差に大接近するチャンスを逃した。3打数無安打に終わった、手負いの背番号5は「打つしかない。その一言です」と悲壮な決意をにじませた。
心の底から悔しさがわき上がった。7回守備からベンチに退いた和田はチームの敗戦をぼうぜんと見つめた。リーグも終盤で迎えた天敵ヤクルトとの3連戦。これまで何度もチームを救ってきた男が、3試合で10打数無安打に終わった。自身2度目となる3試合連続ノーヒット。打率3割5分4厘とリーグ首位打者という事実に変わりはない。それでも誰よりも早く球場を後にした男には悲壮感が漂っていた。
和田
打たないことには勝てないです。打つしかない。その一言です。
らしくない打席が続いた。1回の打席で四球を選んだが、3回にはヤクルト・バーネットのカーブを打ちそこねてボテボテの投ゴロ。5回には1死二塁から同じような初球カーブを打ち損ね三ゴロに仕留められた。2-1と勝ち越して迎えた6回には1死満塁からシュートを引っかけた三ゴロ併殺打…。最悪の形で追加点のチャンスをつぶしてしまった。
痛々しさがグラウンドから伝わってくる。10日の横浜戦(甲府)で左足首に自打球を受けて打撲を負った。周囲には「これまで当たったことがないところに2回も当たった」と漏らした。今は試合前の走塁練習を避けて入念なケアを施し、シートノックも回避している。チーム関係者は「特攻じゃないかな。もう最後まで。やるしかないんだから」と話す。この日、何度も症状を問われても「大丈夫です」の一点張りだった。もう、突き進むしか道はないのだ。
「慣れてるじゃん。今に始まったことじゃない。たまたま今日(リリーフが)打たれたってこと。ただそれだけ」。落合監督は1点差リードで終盤を迎えざる得なかった打線をあえて問題にはしなかった。ただ、今カード3試合で5得点しか挙げられなかった打線が敗因となったことは間違いない。
首位阪神、2位巨人とのゲーム差は1・5差。24日からの巨人3連戦が逆転Vへの行方を左右する。「明日(23日)はゆっくり休んで、スッキリした気持ちで明後日の試合に臨みます。打つしかないですから」。手負いの首位打者は、自分に言い聞かせるように力を込めた。弱音ははかない。あきらめるわけにはいかない-。球場を去る和田の背中に逆襲の炎が見えた。【桝井聡】
[2010年8月23日11時56分
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