<広島5-0阪神>◇1日◇マツダスタジアム

 何としても甲子園CS!

 悔しい。むなしい。まさかこんな形で…。阪神が広島戦に完封負けし、ゲームのなかった中日の優勝が決定。それでもV逸した真弓明信監督(57)は懸命に前を向いた。「まだまだ1つ1つ勝っていく」。城島健司捕手(34)もファンのために2位死守を公言した。優勝の芽はついえたがクライマックスシリーズで中日に雪辱するチャンスは残る。残り5試合。本拠甲子園での開催権を勝ち取ることに全力を尽くす。

 静まり返った三塁ベンチで、指揮官はグラウンドをじっと見つめた。5年ぶりのリーグ制覇が夢と消えた瞬間。少し腰をかけて、立ち上がった。前夜に逆転負けでチームは完全に勢いを失った。そして初対決となった広島ソリアーノにまさかの完封負け。「初モノに弱いというか、みんな、タイミングが合っていなかった」。真弓監督は力なく振り返った。

 終盤の失速から、今年も逃れることはできなかった。05年の優勝以降、9月以降に足が止まるケースが目立つ。ここ1番のもろさ。真弓監督はその課題に取り組んできたが、解消出来なかった。「短期決戦のような所で、もうひとつ勝ち切れなかった試合が多かった。その反省を今後に生かしたい」。球団史に残る強力打線も次第に低調になった。この日は初回に無死一、二塁のチャンスを作ったが、クリーンアップがそろって凡退。散発の4安打で今季8度目の完封負けを喫した。

 優勝はなくなったが、まだシーズンは終わったわけではない。クライマックスシリーズの甲子園初開催という使命がある。そのために、2位確保に全力を尽くさないといけない。新生タイガースの象徴となった城島は正面からV逸の事実を受け止めた。

 城島

 138試合目までの戦いを無駄にしないように臨んだゲームだったが、現実はついてくる。このゲームが終わるまで、信じてやってきた。1番でゴールする目標を持って、戦ってきた。優勝するチームは1つしかない。その時間を1日でも1時間でも引っ張っていこうと思っていた。

 悔しさもあっただろう。広島に3盗塁を決められ、バットも沈黙。特にここ8試合で31打数2安打と精彩を欠いた。それでも気力は尽きていない。当然のようにファイティングポーズを取った。

 城島

 139試合目まで応援してくれたファンのためにも、140試合目をみにきてくれるファンのためにも。2位という目標は残っている。明日から、大きな目標が残っている。今年、優勝できなかったからといって、ガッカリするシーズンではない。

 まだ日本一への道は閉ざされていない。それは真弓監督も同じだった。「目標を切り替えてというか、まだまだ1つ1つ勝っていく」。2日から、巨人との2位争いが待っている。悔しさは今夜限りだ。世界一と言われるファンのためにも、猛虎は動きださなければならない。【田口真一郎】

 [2010年10月2日10時33分

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