<フェニックスリーグ:中日4-3西武>◇10日◇串間

 オレが右の代打の切り札だ!

 中日平田良介外野手(22)が10日、みやざきフェニックス・リーグ西武戦でサヨナラ2ランを含む2打数2安打の活躍をみせた。同リーグでの打率はチームトップの5割7分1厘。08年の巨人とのCS第2ステージで上原(現オリオールズ)から代打本塁打を放つなど、CS男として知られるスラッガーが、ファイナルステージでのベンチ入りを猛アピールした。

 宮崎の秋の夕日が差し込む串間市総合運動公園野球場で、平田が大きな1発を放った。1点ビハインドの9回2死三塁のチャンスで、西武野上から左翼芝生席に生える高さ約20メートルの大木の上部に直撃する、推定130メートルの逆転サヨナラ弾。今季ウエスタンリーグでも打てなかった本塁打を、日焼け顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 「ホームランが出てよかった。上(1軍)の人が来ているので回ってくる打席は少ないけど、その中で結果を出したいと思っていた。いい時に打てました」

 平田は代打で出た7回にも外角を逆らわずに右前打。これでフェニックス・リーグでは7打数4安打3打点と絶好調。「調子は全然いい。ちゃんといい当たりが打てているし、タイミングも合っています」と、表情をほころばせた。

 右の代打の切り札出現を願っていた井上打撃コーチも「7回のヒットがサヨナラ弾につながった。きょうはポイントを稼いだんじゃないか」とニッコリ。「誰が旬だと聞かれれば、名前は挙がってくるだろう。監督も1軍の首脳陣も、平田はCSに強いというイメージがあるしね」と話した。

 CS男だ。平田は08年のCSでは巨人との第2ステージ第1戦で左前打を放つと、第2戦では上原から中越えソロ。09年のCSでもヤクルトとの第1ステージ第3戦で右越え適時三塁打。巨人との第2ステージでも第2戦で二安と、いずれも代打で結果を残している。CSでの通算打率こそ2割6分9厘だが、代打での実績はピカイチだ。また07年の日本シリーズも、第5戦にダルビッシュから決勝の犠飛を放ち、チームの日本一に貢献。ポストシーズンではチーム屈指の勝負強さを発揮してきた。

 今季は6月に右ひじを脱臼し、1軍出場わずか6試合に終わったが、このまま終わるつもりはない。「(CSでの)イメージはいいし、短期決戦でも特別緊張しない」。気は抜けないが、今季不在だった右の代打の切り札争いで、存在感を見せつけた。【福岡吉央】

 [2010年10月11日10時57分

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