<セCSファイナルステージ:中日5-0巨人>◇第1戦◇20日◇ナゴヤドーム

 ブランクは関係なかった。不安は1回から吹き飛ばした。落合中日が速攻を見せつけた。1回、森野将彦内野手(32)が左前打を放つと、二塁走者荒木雅博内野手(33)が果敢な走塁で先制ホームイン。巨人ラミレスの弱肩につけこむ「普段着野球」で4点の先制攻撃を呼び込んだ。先発チェンは7回途中7安打も無失点に抑えてCS初勝利。4投手の無失点リレーで快勝し、アドバンテージを含め2勝と優位に立った。

 森野のバットと荒木の好走塁が、半月以上の空白を埋めた。1回1死二塁。立ち上がりが不安定な東野を森野は見逃さなかった。カウント2-2から外角高めの直球を必死にたたきつけた。打球が三遊間に飛んだこともあり、二塁走者の荒木が一瞬、二塁に数歩戻ったが素早くターン。ラミレスの捕球位置を横目で確認すると、トップスピードで三塁を回り、ダイブするようにホームベースをタッチして先制点を奪った。

 荒木

 ボールの位置、レフトの位置を見て判断した。止まった瞬間は無理と思ったけど、自分でもびっくりです。(第1戦を勝ち)いいスタートが切れた。

 森野

 チャンスだったのでとにかく点を取れるようにと思っていた。気持ちだけです。僕自身、正直ガチガチだったけど、弱いことは言ってられない。強い気持ちでいきました。振り返れば、初回がすべて。やっぱりつながったということ(が大きい)。

 この先制攻撃が打線を触発した。和田が四球を選ぶと、ブランコが左翼フェンスに直撃させる適時二塁打。直後の藤井もバットを折りながらも右前へ運び、さらに2点を追加した。わずか20分間の速攻劇。だが、中日にとっては仮眠状態にあった打線が、真剣勝負の実戦で目を覚ました瞬間でもあった。

 パ・リーグ王者のソフトバンクはCSファイナルステージでロッテに屈した。実戦から遠ざかった打線が沈黙したことが一因になっている。「やっぱり短期決戦は戦い方が違ってくる」と、森野も19日にパのCSファイナルステージ第6戦を自宅でテレビ観戦。リーグ王者が本拠地のベンチでうなだれる姿を目に焼き付けて試合に臨んだ。

 17日の空白があったが、短期決戦でも特別な装いなく戦い、そして勝った。セのCSが始まった07年以降、リーグ王者が初戦を勝つことも初めて。森野は「まだ、まだシーズン中とは違う。短期決戦はガチガチのなかでやるしかないでしょう。とりあえずあと2つ勝つだけ。あと2つ」と目を光らせた。落合中日が、21日にも日本シリーズへ王手をかける。【桝井聡】

 [2010年10月21日9時17分

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