<オープン戦:中日6-2ヤクルト>◇9日◇小牧

 視界クッキリに変身した「チャーリー久古」が、1回無失点で開幕1軍をぐっと引き寄せた。ヤクルトのドラフト5位左腕、久古(きゅうこ)健太郎投手(24=日本製紙石巻)が中日戦の3番手で登板し、強力打線を3者凡退に切った。1軍デビュー戦だった6日のソフトバンク戦は、1回3失点だったが「周りの雰囲気に慣れて、狙ったところに投げられた」と納得顔だった。

 それもそのはず…。福岡ドームでナイターだった前回は、捕手のサインが見えなかった。あやふやのまま、先頭打者への死球、暴投などで自滅。名古屋入り後、人生初のコンタクトレンズを購入し、0・7だった視力が1・2に回復した。

 89年の大ヒット映画「メジャーリーグ」ではチャーリー・シーン演じるノーコン投手が、メガネをかけた途端にコントロールが安定し、一躍エースに上り詰めた。視界クリアになった久古は、左横手からコーナーを丹念に突いた。グスマン、ブランコの主軸コンビを、いずれもチェンジアップで、遊飛、三ゴロに打ち取った。

 不足する中継ぎ左腕の育成は、チームにとっては緊急課題。小川監督は「これなら1イニング任せられる手応えがある」と、帰京後の1軍帯同を即決した。

 1月の新人合同自主トレ開始前日には、埼玉・戸田寮近くの土手を1人でランニング中に、くぼみにはまって右足首を捻挫した。社会人時代は日産自動車の休部も経験。苦難続きの野球人生は、視力とともに好転するか。本家チャーリー・シーンは、弱小インディアンスをワールドチャンピオンに導いた。01年以来の日本一へ、「チャーリー久古」が救世主になるかもしれない。【前田祐輔】