<ヤクルト7-1巨人>◇26日◇静岡

 巨人が予期せぬアクシデントに見舞われて完敗した。4回。この試合まで打率2位だった長野久義外野手(26)が腰の張りを訴え、大事を取って守備から交代した。次なる危機は、打撃好調だった高橋由伸外野手(36)に。2死三塁で相川が右翼線に放った飛球を「ボールが見えたから」と走って好捕。だがその瞬間、フェンスに激突し、ボールはグラブからこぼれ落ちた(記録は適時二塁打)。打ちつけた左脇腹を押さえて苦痛に顔をゆがめながら、ベンチへ退いた。

 必死のプレーでの負傷だけに、責められない。だが、不運な形で同点にされた4回以降で、流れは変わった。この試合前までのチームの全31得点中、計11打点を稼いでいた2人の負傷交代で、打線はつながりを欠いた。坂本の先頭打者アーチで幕を開けたが、2回以降は4安打無得点。勝敗は五分に逆戻りした。原監督は「打てなかったですね。良い形で滑り出したが、後が続かなかった」と振り返った。

 だが、2人とも軽傷とみられるのが救いだ。長野は病院に行かずアイシング治療し「チームに迷惑を掛けて申し訳ない」。高橋は病院でエックス線検査を受けた結果、異常はなし。球場に戻って試合終了を見届けた。今日27日の出場については「大丈夫じゃない?」と気丈に語った。指揮官は「(長野は)今日は他の選手が出た方が戦力になるという判断で代えました。(高橋は)骨にも異常がなかったようですし、少しの時があればいいんじゃないでしょうか」との見通しを示した。2人が今日の試合に出場するかどうかは、状態を見て判断される。【浜本卓也】