<広島0-3巨人>◇13日◇マツダスタジアム
巨人内海哲也投手(29)は、大きな背中でその全てを語った。温厚な男が見せた怖いほどの闘争心と勝利への執着心。弟分とかわいがる東野に向けた、メッセージだった。6回1/3を無失点。最後まで投げたい思いはグッと抑えた。ベンチに引き揚げた時、笑顔で迎える背番号「17」の頭をグラブでポンっとたたいた。「どうや!」。兄貴の思いが伝わった瞬間だった。
泥くさく、粘っこく。勝つためだけに腕を振った。7回まで走者を背負ったのは6度、得点圏には4度。それでもホームは踏ませなかった。最速は145キロ。7回には143キロをマークした。丁寧にコーナーに投げ分け、打者を手玉に取る内海が見せた荒々しさ。「コントロールが乱れた」と反省したが、リーグトップのチーム打率を誇る広島打線を面食らわせた。
つらさを知るからこそ、心配だった。10日の横浜戦(上毛敷島)。東野が6回途中でKOされる姿をテレビで見た。自身も09年に開幕から7戦連続未勝利を経験。「何とかしてやりたい」。野球人なら野球で-。その思いをグラウンドで伝えた。三塁側ベンチから目に焼き付けた東野は「次は自分がやります」と目を輝かせてバスに乗り込んだ。
ハーラーダービートップタイの4勝目、防御率1・07で2冠を奪取した。交代時にマウンドに直接足を運んだ原監督は「(内海は)いいピッチングをしてくれた。この次は東野がやりますよ」と期待を込めた。主将の小笠原が負傷退場する緊急事態。内海はグラウンドの中央でドシッと立っていた。【久保賢吾】



