<ロッテ2-3中日>◇18日◇QVCマリン

 鬼門QVCマリンの呪縛を若い力が打ち破った。2点を先制された後の2回1死二塁で中日平田良介外野手(23)は高めの直球を迷わず振りにいった。豪快なフルスイングに弾かれた打球は右中間スタンドへ。2年ぶりの本塁打が同点2ランとなった。

 「ゾーンとテンションを上げていこうと思いました。ボール気味でしたけどね。テンション上がりました!」。

 先手を取られる嫌な流れを一変させた。昨季は出場6試合、わずかヒット1本に終わり、背番号は「8」から「40」に格下げ。逆襲の今季は「原点」に戻った。

 「今までは少ないチャンスで結果を残そうとして、自分の野球ができていなかった」。

 激しい定位置争い。代打出場で結果を出そうといつしかミート重視のスイングになっていた。挫折を味わう中で、高校通算70本塁打を放ち甲子園を沸かせたあのフルスイングを思い出した。高めの球を強引にスタンドまで運んだこの夜の一撃は“怪物平田”をほうふつとさせた。

 偶然にもこの夜、札幌で大阪桐蔭の後輩中田もお立ち台に上がった。「そうですか。中田もチャンスをものにしてますね」。報道陣の問いにはそう答えたが、内心は何かと中田と比較されることが大嫌い。「僕は僕なんで」-。その反骨心が逆襲に燃える平田を支える。【鈴木忠平】