<巨人1-2ソフトバンク>◇26日◇東京ドーム
右腕エースの力投は実らず、巨人は4連敗となった。先発の東野峻投手(24)は7回まで10個の三振を奪い、2安打無失点と完封ペース。しかし、1-0で迎えた8回、連続三振で2死を奪いながら連打を浴びてピンチを招くと、代打カブレラに2点適時二塁打を浴びて逆転を許した。開幕投手を務めた右腕はこれで5連敗となった。
開幕投手を任されながら、まだ1勝しか挙げていない東野が、勝てていない「焦り」と「重圧」に押しつぶされた。1点をリードした8回表2死一、二塁、ここまで強気な投球でソフトバンク打線をねじ伏せていた投球に変化が出た。
代打カブレラの初球、阿部は内角高めの直球を要求した。カブレラは狙い球を絞ってくるタイプで、外角球でも本塁打する力がある。東野の決め球はスライダーであり、踏み込ませないための“脅し球”でもあり、振ってくれればもうけ物の“つり球”にもなる。正しい選択だった。
ところが東野が投げきれず、外角高めへのボール。2球目も内角へスライダーを要求したが、ど真ん中。カブレラは見逃したが、投げきれない内角への要求がしづらくなった。
3球目、カブレラは外角へのボールゾーンのスライダーを空振り。狙いが外角球なのは明らかで、4球目も外角ボールゾーンへのスライダーだが、優位なカウントで追い込んでいることもあり、投げた瞬間にボールと分かる球だった。
悔やまれるのは、勝負を焦った東野が5球目のスライダーに首を振って直球を選択したこと。スライダーを狙われていると思って直球を選んだのだろうが、ストライクゾーンに投げきれずに見逃された。勝負を焦らずにボールゾーンへスライダーを続けるべきだったし、直球なら覚悟を決めてストライクゾーンに投げるべきだった。6球目、3球目に空振りしている外角のボールゾーンへのスライダーで打ち取りを図ったが、フルカウントでもあり、ストライクゾーンに入り、痛打を浴びた。
カブレラ
100%何がくるか分かっていた。賢く野球をやらないと、この世界で長く野球はやれない。
内角球を使えれば…。フルカウントから「四球でもいい」とボールゾーンに投げられていれば…。内角を突ける投手だが、勝負どころでの“焦り”と勝てていない“余裕のなさ”が「重圧」を倍増させ、開き直れなかった。敗因は「貧打」なのは明白で、責めることはできない。しかし絶好調だっただけに悔やまれる。エースと呼ばれる投手が乗り越える“試練”でもある。【小島信行】



