<ソフトバンク1-0中日>◇5月31日◇福岡ヤフードーム

 落合竜にとって博多の夜はまたしても苦いものになった。初対戦のソフトバンク山田を始め強力投手陣の前に4安打で今季6度目の完封負け。3打数無安打、2三振に終わった中日和田一浩外野手(38)は試合後、険しい表情のまま帰りのバスへと歩いた。

 「どの球がというより、コントロールがよかった。浮いてこなかった。全部、低めに投げられた」。

 前日、落合監督から打撃修正法を伝授されたが、すぐに光が見えるほど迷い込んだトンネルは浅くはなかった。初回2死から森野がヒットで出たが、和田は変化球を引っかけて三ゴロ。4回にはボールになる変化球に空振り三振、そして、7回には外角への微妙な球をストライクとコールされ、思わず声を上げた。最後はボール球を振って空振り三振。ベンチに戻る際には珍しく怒りの表情を見せた。

 それでも主砲は判定に関して「ノーコメント」と口を閉ざし、自ら4番としての自覚を口にした。「それでも何とかしないといけない。立場が立場ですから…」。打率2割3分3厘と低迷する中、痛々しいほどに責任を背負っていた。

 ヤクルトが勝ったため、わずか2日で首位陥落。博多で8連敗となった落合監督は問わず語りで言った。

 「まだまだ若い選手はお勉強が足りないってことだな。若い選手に頑張ってもらいましょう。野球を勉強する時間はたくさんある」。

 2回の平田の盗塁死などを指摘していると思われるが、詳細は明かさず。また、不振の主軸には「きょうそういう話をしなきゃいけないの?」と話したのみだった。日ごとに入れ替わる順位などより、長引く主砲の不振の方が深刻な問題だ。【鈴木忠平】