もう屈辱はゴメンだ。中日は今日15日からのソフトバンク2連戦でチェン・ウェイン投手(25)吉見一起投手(26)の2本柱を投入する。ソフトバンクは今日にも交流戦優勝が決定。中日にとっては2年前に目の前で優勝を決められた因縁の相手。左右の両輪が全力でVを阻止する。

 ベテランから若手まで集結して行われた14日の全体練習。そこに笑顔はなかった。1点も取れずに2連敗を喫したソフトバンクとの前回対戦を忘れてはいない。投手力はもちろんだが、12球団屈指の重量打線をいかに封じるか。負けられない2連戦を託されたのは竜が誇る左右の柱だ。

 先陣を切るのが左腕チェン。1日ソフトバンク戦は6回7安打2失点で負け投手となった。今回はリベンジ登板となる。

 チェン

 (前回の対戦では足でやられたが)走られてもしょうがないつもりで、とりあえず自分のピッチングをしたい。1番から9番まで、油断をしないように全力で投げたい。

 あの悔しさはもうごめんだ。2年前の09年、主催試合である金沢でソフトバンクに交流戦の連覇を決められた。歓喜のシーンを眼前で繰り返されてはたまらない。2戦目の先発が予想される吉見も感情を封印して冷静にボールを投げ込むことを宣言した。

 吉見

 (相手は)走れる、打てる、守れるチーム。でも、そういう勢いのあるチームを倒すのは楽しみ。テンションが上がります。あまり神経質にならずに淡々と投げたい。

 練習後には2人とも入念なケアを行いナゴヤドームを後にした。内川、小久保、松田…。ズラリと並んだ強打者たちを沈黙させてみせる。09年の悪夢は、竜のプライドをかけて再現させない。【桝井聡】