虎退治は「NEW内海」にお任せあれ!

 巨人内海哲也投手(29)が、リーグ戦再開となる明日24日からの阪神3連戦(甲子園)で先発し、苦手意識を一蹴する。内海は開幕前の練習試合で阪神に打ち込まれ、ここまで同戦の先発を回避してきた。だが、今年から覚えたフォークボールが充実した今、開幕前とは違う自信を持っている。初戦は東野、2戦目が内海、3戦目は沢村が予想され、右、左のエースで2連勝中のチームを一気に加速させる。

 相性?

 関係ない。今の内海には、阪神をねじ伏せる自信がある。苦手とされていた相手。交流戦前は相性を考慮され、先発を2度回避した。悔しさは胸に秘めていたが、リーグ戦再開でリベンジを目指す。

 開幕前、練習試合で阪神打線に打ち込まれ、結果的に開幕投手を東野に譲る形となった。だが、内海は「あの時はへなちょこフォークだったので。でも、あの時とは違います。今は自分の思ったところに投げられるようになってきた」と、新球フォークに手応えを感じている。5月21日の日本ハム戦で、交流戦から復帰した阿部とバッテリーを組みフォークを多投。左打者でもカウントを取れるようになり、「使える」と感覚をつかんだ。

 結果でも証明している。この日、交流戦5戦5勝、防御率1・50という好成績が評価され日本生命賞を受賞した。圧倒的な強さを見せたパ・リーグの打者陣を相手に堂々たる投球を見せた。「光栄ですし、うれしいです。まさか僕が頂けるとは思っていませんでした」。5月は月間MVPにも選出されている。

 リーグ戦の再開で、今後の戦いはチーム順位に直結してくる。現在は借金4の3位で、4位阪神とのゲーム差は1・5と僅差。Aクラスを死守し、上位進出を狙うためにも負けられない伝統の一戦となる。内海が「東野、沢村も調子いいし、ピッチャーからいい展開をつくれればいいですね」と話すように、阪神3連戦で一気に波に乗りたいところだ。

 21日には阪神坂井オーナーから「(内海は)もう負けてくれるところでしょう。意識しなくても勝てますよ」と挑発されたが、内海は「どうぞ言ってください。惑わされません」とサラリと受け流した。周りがどう言おうと関係ない。「僕がやることは変わりませんから。しっかり自分のピッチングをしたいです」と力強かった。絶対的自信と新球フォークを武器に、猛虎打線を黙らせる。【斎藤庸裕】