<巨人1-7中日>◇18日◇東京ドーム

 救世主ソトだ!

 中日が新外国人エンジェルベルト・ソト投手(28)の来日初先発初勝利で、引き分けを挟む連敗を6で止めた。ソトは投げて5回4安打1失点。打っても2回のニゴロ間の得点が決勝点となる活躍。テスト生から成り上がった年俸7万ドル(約560万円)の格安助っ人の活躍で、勝率も一夜で5割に戻した。

 激しいガッツポーズが快投の証しだ。初めて先発マウンドに上がったソトは、巨人の強打者を打ち取るたびに左拳をグッと握った。そうやって生命線の左腕に血を通わせ、先発の感覚を取り戻していった。

 ソト

 長く先発としてやっていなかったので、緊張感がすごかった。とにかくゲームをつくることに集中した。

 鬼気迫る雰囲気をまとって立ち向かった。2-1の3回。1回にソロ本塁打を浴びている高橋由との2度目の対戦は、井端の好守もあり併殺に打ち取った。固く握った左腕を投球動作に負けないほど力強く振り下ろしてほえた。あらん限りの力で、5回を4安打1失点。勝利を呼び込んだ。

 チームは引き分けを挟み6連敗中。前日17日には吉見が登録抹消され苦境に拍車がかかった。そんな中、これまで11試合に中継ぎ登板していた左腕が初先発。シーズンはおろか、オープン戦でさえ巨人との対戦がない。大方の予想ネルソンの裏をかく奇襲。「先発は今日聞いた」と本人さえ驚く抜てきに“満点快投”だ。

 母国ベネズエラからの来日時も、経由地の米国から日本で待つ球団関係者にわざわざ電話をかけ「順調だ。今乗り換えた」と連絡してきたほどきちょうめん。確かな制球もあり、優等生イメージが先行していたが、初の先発マウンドでは野性味あふれる新たな魅力を披露しチームのピンチを救った。してやったりの森ヘッドコーチは、今後の起用法について「それは言えないな」。ニヤリと笑い、けむに巻いた。

 英国のコメディアンが演じた人気番組のキャラ『ミスター・ビーン』似の風貌だが、オレ竜のビーンは相手を笑わせることなどしない。初対戦の巨人打線を泣かせた。決して野球先進国とは言えないイタリア・セリエAからやって来た年俸約560万円の苦労人は、ジャパニーズ・ドリーム実現に向け「リリーフであれ、先発であれ、チームのために頑張るだけだ」。最後は味方をも泣かせるセリフで締めた。【八反誠】