<巨人2-1中日>◇20日◇ハードオフ新潟

 原巨人にとって苦しんだ前半戦を象徴する試合だった。1点リードの9回、先発ゴンザレスが完封目前に走者を残して降板。2番手山口が和田に同点打を許して、延長戦に持ち込まれてしまった。しかし、10回1死満塁で阿部慎之助捕手(32)が中日岩瀬からサヨナラ打。何とか勝ちを拾い、前半戦は32勝38敗4分けで終了した。首位ヤクルトとは10ゲーム差、2位タイの阪神、中日とは2ゲーム差で、26日再開の後半戦に臨む。

 終止符を打ったのは、巨人随一の勝負強さを誇る「サヨナラ慎ちゃん」だった。同点の延長10回1死満塁、右越えのサヨナラ打。チーム歴代5位にランクする自身10度目のサヨナラ打で試合を決めた。「最高です!

 打てて良かったです」。お立ち台では得意の決めセリフで勝ち名乗りを上げた。

 直前の4番長野が、敬遠四球で巡ってきた1死満塁。投手岩瀬をジッと見つめ、冷静にタイミングを取りながら打席に立った。1ストライクからの2球目。こん身のひと振りで勝負を決めた。原監督が「一発で仕留めてくれました」と評する一打だったが、阿部は「みんなで粘って勝つことができた」とチームの勝利を強調した。

 1点への執念を見せた。0-0の7回無死一塁で阿部が今季2度目の送りバントを決め、大村が先制の適時打を放った。「1点を守り、1点を取る。どんな試合でも1点上回れば勝てる」。全員でつなぎ、得点を重ねる。原監督が前半戦の課題として挙げた1点への重みを示す作戦だった。

 ヤクルト、中日の上位2チームに勝ち越した。原監督は「2つのチームに勝ち越せたのは非常に大きい。勝って(球宴休みの)時間を使えるのはいいと思います」と評価。主将の阿部は「いい形で終われたので、これを絶対に後半戦までつなげたい」とナイン全員の思いを代弁した。借金6の4位で前半戦をターンしたが、後半戦の巻き返しを予感させる劇的な勝利だった。【久保賢吾】