中日トニ・ブランコ内野手(30)が再び長期離脱することが明らかになった。7月27日、2軍での復帰初戦で故障が再発。1日、ナゴヤ球場で別メニュー練習を行ったブランコの右手にはギプスがはめられており自ら「2、3週間はかかる」と話し、骨折の疑いもある。逆襲の8月、貧打解消の切り札と見られていた大砲不在は確実。場合によっては後半戦復帰も危ぶまれる事態となった。

 痛々しい姿だった。右手にギプスをはめたブランコは太陽が照りつけるナゴヤ球場の外野を黙々と走っていた。他の選手と一緒だったのはランニングのみ。キャッチボールも、打撃練習も行わなかった。

 「今は完全に固定している。(ギプスが取れるまで)2、3週間だと思う。早く戻りたいよ」。

 ブランコは顔をしかめながら説明した。本人にとっても、チームにとっても悪夢のような故障再発だった。6月に昨季からの古傷である右手中指を痛めて戦線離脱。そこから長いリハビリ期間を経て、ようやく7月27日、ウエスタン・リーグ、オリックス戦(ナゴヤ球場)で実戦復帰した。ところが、代打で三振した直後に再び痛みを訴えたという。チーム方針で故障の詳細については明らかにされていないが、患部の状態について本人は英語で「broken」と表現。患部を右手ごとギプス固定していることから骨折も含めて、骨に異常があった可能性が強い。

 またブランコが言うように今月中にギプスが外れたとしてもすぐに実戦に復帰できるわけではない。そこから打撃練習を再開し、実戦にこぎつけるまでにはさらに時間を要する。チームが逆襲を狙う8月中の復帰は絶望的で、場合によっては後半戦中の実戦復帰にも黄信号が点滅する事態だ。

 チームはリーグ5位の打率2割3分1厘と貧打にあえいで、現在5カード連続負け越し中。特に森野、和田とクリーンアップを組む選手が次々と替わっているのが悩みの種だ。それだけに飛ばないと言われる統一球をものともしないパワーを持つブランコは大きな期待を背負っていた。

 正捕手の谷繁が7月の終わりに1軍復帰し、次はブランコが復帰すれば8月の反撃へ戦力が整うはずだった。その矢先の故障再発だけに衝撃は大きい。