<広島2-5巨人>◇6日◇マツダスタジアム
巨人の8月反攻に欠かせない、この男までがよみがえった。先発復帰した東野峻投手(25)が、2カ月ぶりに先発で勝った。8回を2失点に抑え、先発としては6月3日の楽天戦以来の白星となる4勝目を挙げた。高橋由、小笠原も連夜の打点をマークするなど、打線はもよおしっぱなしで、今季初の4連勝だ。順位も3位に浮上。6月28日に陥落して以来のAクラス復帰だ。8月反攻の態勢は、整いました!
9回のマウンドには自身の後任守護神の久保がいた。ゲームセットを、東野はベンチで見つめた。その瞬間、はりつめた緊張が解けた。ハイタッチの列で受け取ったウイニングボール。スタンドのファンへ投げ入れたが、6月3日以来、先発として2カ月ぶりの勝利をかみしめた。「うれしいです。チームに迷惑ばかりかけていたし、昨日も中継ぎの方が投げていたので、なんとか8回まで投げられてよかった」。開幕投手として、そして、エースとしての責任感だった。
文字通りの紆余(うよ)曲折だった。東野の登板試合、打線の援護点は今季1試合平均で1・8。昨季は5・5点だった。真のエースとして真価が問われたが、勝てない日々が続いた。7月に抑え転向、わずか2週間ほどで先発へ再転向。それでも「結果を出すしかないんです」と、ストッパーを経験したことを糧にした。「毎日肩を作らないといけないし、先発がバタバタしたらいけないので。いつも中継ぎの人に助けてもらっている。その気持ちがわかった」。そんな思いで、マウンドに上がった。
8回2失点の好投。リリーフ陣を休ませ、チームを今季初の4連勝に導いた。原監督の「チーム全体がもよおしてきてる」と発言してから続く快進撃。ラミレスは4番に帰ってきて、小笠原、高橋由はヒットパレード。チームとして、浮上のために欠けていた、大事なピースが東野だった。
原監督は「結果の部分で8回まで投げ抜いたのはよかったと思います。これをきっかけに、うちのエースとして今年はスタートしたわけですから、責任を大いに感じながら、さらなる上昇を期待したい」。開幕投手に指名し、守護神に配置転換。スタートした場所での復活を喜んだ。
反攻の形はできたと言わせたい報道陣の問いかけに、原監督はあくまでも「1戦1戦ですよ」と、冷静に話した。チーム防御率は7月13日以来リーグ1位を維持する。投手陣の安定感が高い中で、東野の復活はさらなる追い風だ。8月、9月、10月。巨人がセ・リーグを熱くする。【斎藤庸裕】



