<中日1-0阪神>◇10日◇ナゴヤドーム

 落合竜が泥臭く、がむしゃらに連敗を止めた。この夜も阪神スタンリッジの前に7回2死までわずか2安打無得点。7日横浜戦から24イニング無得点が続いていた。だが、ここでどん底の男たちが意地を見せた。

 まず、和田一浩外野手(39)がバットの先っぽで中前に落とす。続く平田良介外野手(23)も右方向へはじき返して一、三塁。ここで打席には堂上直倫内野手(22)。前日は好機で送りバント失敗の揚げ句、三振に倒れた男はこの打席も2球で追い込まれた。だが、ここからすべてをかなぐり捨てた。

 少々のボール球にも食らいついて3球ファウルで粘ると、7球目はどん詰まりで三塁へ転がった。がむしゃらに走った堂上直はなりふり構わず、一塁手を吹き飛ばさんばかりのヘッドスライディング。端正なマスクも、ユニホームも泥だらけ。「どんな球でも食らいついていこうと思いました。(ヘッドスライディングは)自然に出ました。がむしゃらにやろうと思った」。まさに気迫で奪った25イニングぶりの1点だった。

 2戦連続完封負けで、落合政権ワースト借金6となった前夜の試合後、堂上直は深夜に愛知・春日井市に向かった。そこは小学校時代からの親友が事故死した現場だった。友が好きだったジュースを供えて手を合わせた。「力をくれ」-。

 「ずっと一緒に遊んできた親友。力をくれたのかもしれません」

 堂上直はそう言って少し笑った。ともすれば淡々とスマートに映るオレ竜軍団が、どん底で見せたがむしゃらさこそが1点を生んだ原動力。浮上へのヒントが見えた。【鈴木忠平】