<中日1-0巨人>◇17日◇ナゴヤドーム

 おっしい~。中日チェン・ウェイン投手(26)が巨人打線を2安打に抑える快投で今季初完封勝利を挙げた。8回1死まで完全投球。記録への期待が高まったが、巨人小笠原に中前打を許した。それでもチームの連敗を止め、約2年ぶりの無四球シャットアウト。停滞していたチームに大きな1勝をもたらせた。

 ナゴヤドームがため息に包まれた。8回1死。チェンは小笠原にフルカウントまで粘られ、最後は甘く入ったスライダーを振り抜かれた。足もとを抜けた打球を振り返り、マウンドのチェンは少しだけ顔をしかめる。ここまで完全投球。あと5人で球団初、球界でも17年ぶりというパーフェクト試合が阻まれた。

 チェン

 意識してないと言えばうそになる。今日は森さんから狙っていけと言われていた。ただ、ヒットを打たれて楽になった。

 マウンドに上がった瞬間から独特のオーラを放った。力強い直球で詰まらせる。キレのある変化球でバットの芯を外す。27個のアウトのうち、フライアウトが半分を上回る14個。自由自在だった。9回は2死三塁のピンチを招いたが、マウンドまで近寄ってきた落合監督に続投を直訴。初球146キロの力ある直球で坂本を二飛に斬った。

 チェン

 今日はシゲさんの配球のおかげ。状態は普通だけど、テンポが良くなってきたのかなと思う。完全試合を狙うよりもチームが勝つことが大事なんで。

 頭にこびりついている試合がある。06年9月16日。同じ左投手でもある大先輩・山本昌が阪神戦(ナゴヤドーム)で成し遂げたノーヒットノーランだ。当時、寮で生活していたチェンは、部屋にあるテレビ画面でその瞬間を見届けた。野球を始めた頃からノーヒットノーランや完全試合とは無縁の男にとっては衝撃的なシーンだった。

 チェン

 あの試合は印象に残っていますね。体力も必要だしすべてがそろっていないとそういう試合はできない。やっぱり今日もできなかったですけどね。

 無邪気に笑ったが、8月に入ってからまさに無敵。8月の3試合では計25回1/3で1失点。防御率0・36と際立った数字を残している。

 「今日は先に1点をとった方が勝ち。そういう試合。展開」

 試合後、落合監督がそういうのもうなずける。夏男の勢いは当分、止まりそうにない。【桝井聡】