いざ、神戸秋の陣!

 オリックス岡田彰布監督(53)は今日13日の楽天戦(ほっともっと神戸)からの9連戦で、今季初めて中5日ローテを全面解禁する。「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」の豊臣秀吉ばりに仕掛け、CS争いのライバルを倒す。対する楽天星野監督は「鳴くまで待とうホトトギス」の徳川家康流。戦国パの生き残りをかけた戦(いくさ)の火ぶたが切られる。

 9連勝後3連敗と失速したオリックスが、ついに本気のムチを入れる。今日13日の楽天戦から始まる9連戦は、3位確保への正念場。岡田監督は金子千ら好投手を最優先で注ぎ込むべく、今季初めて中5日ローテを全面解禁する。

 「これからは負けはアカン。9月が勝負よ」。1軍指揮官7年の経験を踏まえ、スパートの機は熟知している。その最初の戦いがわずか1毛差で追う3位楽天との直接対決3連戦となれば一層力が入る。だがホトトギスのナインたちは現在3連敗と鳴りを潜めている。となれば、徳川家康のように鳴くまで待つのではなく、敬愛する秀吉のように鳴かせる方法をとるのが岡田流だ。

 楽天戦の先陣にはカード10連勝中で通算12勝1敗の金子千を立て、2戦目は前回7日の対戦で8回1死まで無安打に抑えた中山が行く。そして3戦目は西に代え、11勝で勝ち頭の寺原を中5日で繰り上げる。長いシーズンを考え、ほとんどを中6日で回してきたがついに限定解除。いいモン順に投げさせ、がむしゃらに目先の1勝を取りに行く。

 続く16日からのロッテ3連戦は3人で5勝1敗と相性のいい西、マクレーン、フィガロに託す。そして9連戦最後の19日からのソフトバンク3連戦は右肘手術からの復帰後、中6日を守り続けて来た金子千の中5日をついに解禁。さらに中山、寺原と3人全員を中5日で投入することが濃厚だ。金子千も1回多い5度の先発機会が得られる。

 「実家は大坂城のお堀の中やったんや」「鉄砲の玉をつくっとったから玉造や」。大阪城に近い玉造で生まれ、プロでも自主トレのランニングコースは大阪城。いつしかあこがれ、重ね合わせる秀吉流で、元虎将対決となる神戸秋の陣に挑む。ホトトギスは鳴くのか。岡田オリックスが大勝負に出る。【松井清員】