<横浜1-2巨人>◇28日◇横浜

 最後に信頼できる守護神がチームを支えている。原巨人が鮮やかな逆転勝ちだ。1点を追う9回無死二、三塁のチャンスをつくる。古城が左中間へ逆転2点適時打。1点のリードを守護神久保裕也投手(31)が抑えて20セーブ目。日本人では上原(現レンジャーズ)以来の大台到達。貯金を今季最多の4とし、4位阪神との差を4ゲームに広げた。

 慌てないからすごい。1点リードの9回2死一、三塁で一打同点の場面。打者石川に対し、久保は勝負を急がない。8球使ってフルカウント。プレートに足をつける前に「フーッ」と大きく息を吐いた。決め球のフォークで力ない右飛に仕留めゲームセット。「(打球を)取るまではホッとできないので。(右翼手の)長野の足が止まって、安心はしましたけどね」。引き締まった表情が緩んだ。

 日本人では07年の上原以来の20セーブ目だ。昨年は球団新記録となる79試合に登板。無尽蔵のスタミナでチームを支えたが、「去年はできすぎ。前半戦は良かったけど、後半は調子を落としてしまった」と、慢心はなかった。6月、試合前練習で中継ぎの調整としては異例のポール間走で下半身をいじめる姿があった。「夏場は少し疲れちゃうから。今走っておけば、あとあと乗り越えられる」と、あえて厳しいランニングメニューを選んだ。

 そして8月に20試合連続無失点をマーク。2年連続で球団新記録を塗り替える結果につなげた。21度の登板で失敗は1度、セーブ成功率は9割5分2厘。「いろいろなことを経験させてもらったので。今はマウンド上で冷静に、考えて投げられています」。先発、中継ぎ、抑え、すべてのポジションを経験したからこそたどり着いた境地だった。

 「貯金4=勝率5割」という原理論上の「リアル5割」に今季5度目の挑戦で到達。原監督は「よくやっています。まだまだこれからが、重い1セーブ1セーブになるでしょうけどね。守護神としてさらなる上昇を願うところですね」と、大いに期待した。チームの勝利のために、久保は腕を振り続ける。【斎藤庸裕】