<巨人1-1広島>◇2日◇東京ドーム
ミスが出て、
巨人沢村拓一投手(23)の2ケタ勝利はお預けとなった。3回までに6三振を奪うなど、6回まで2安打無失点の好投を見せるも、1点リードで迎えた7回に1死満塁のピンチを招いて降板。2番手・山口鉄也投手(27)の暴投で同点に追い付かれた。9回裏にはサヨナラの好機をつくるも、長野が右飛に倒れて引き分けに終わった。首位ヤクルト、2位中日を追いかける巨人にとって、負けに等しい、引き分けだった。
悔しそうにマウンドをならしながら、沢村はベンチに引き揚げた。ファンから拍手を浴びても、表情一つ変えなかった。ベンチに戻った後は、2番手の山口に必死に声援を送ったが、暴投で10勝目が消滅。試合後は「途中で降板して、中継ぎの方に迷惑をかけて申し訳ないです」と責任を背負い込んだ。
プロ初の中4日でも、先発の役目を全うした。「トータル的に悪かったです」と自己分析したが、慌てるそぶりはなかった。自身の状態と照らし合わせ「打たせて取ろうと思った」と切り替え。1回は3者連続空振り三振の好スタートで、3回までは無安打の圧巻の投球を見せた。
修正能力の高さはルーキーの域をはるかに超える。前半戦の防御率は2・46で、後半戦は試合前まで1・88。9月の防御率はリーグトップを誇った。同じ大卒の即戦力で入団した久保がそのすごみを証言する。「失敗を何度も繰り返さないのが一流だと思うんです。それを実践できている。追い込んでから甘かったり、テンポが悪かったりすることがなくなった。助言を聞きながら、理解して吸収する。自分で考える頭を持っているんです」。次々と階段を乗り越えていく姿に目を細めた。
好投する沢村を打線が援護できなかった。広島ジオに6回まで1得点。7回以降も走者を出しながら、攻撃のミスが続出した。8回は鈴木のバント失敗と代走の橋本がけん制に誘い出されての盗塁死。9回には脇谷がバント失敗の後に、空振り三振に倒れた。原監督は「打線がもう少し…。今年はジオにやられたという感じ」と苦い表情で振り返った。上位2チームが勝利。奇跡の逆転Vに向け、勝たなければいけない試合で、痛恨の引き分けだった。【久保賢吾】



