ゲームサイト「Mobage(モバゲー)」の運営会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は4日、TBSホールディングス(HD)と横浜ベイスターズの譲渡で正式に合意し、発表した。新球団名を「横浜DeNAベイスターズ」として、日本野球機構(NPB)に加盟申請した。春田真会長(42)はチーム編成の全権を握るゼネラルマネジャー(GM)制の導入を明言。候補として日本ハムでGMを務めた高田繁氏(66)らの名前が浮上した。

 新生ベイスターズがいよいよチーム強化に着手する。DeNA春田会長はこの日、午後3時過ぎにNPBを訪れ、加盟の申請書を提出した。引き続き横浜を本拠地とし、長期の球団保有を前提とした申請。オーナー企業としての第1歩を踏み出すと、4年連続の最下位に沈むチーム再建への意気込みを口にした。

 春田会長

 一ファンとしてみたら、こういう監督とかは野球素人の考えでしかない。どうやってチームを強くするかを考えたとき、骨格から考えないとダメだと思っている。まずは骨格から考えられる人をGMとしてお迎えし、その方に考えていただく。

 柱に据えるのは、横浜初となるGM制の導入だ。春田会長は候補について「今の時点で名前を出すのは相手にご迷惑がかかる。ある程度固まった段階でお知らせしたい」と明言を避けた。ただ、全球団に専任職がいるメジャーと異なり、日本球界では経験者が限られる。速やかな強化を図るためにも、ノウハウを知る人材が適任。高田氏は05~07年まで日本ハムで同職を務め、日本一に導いた。守安社長も「春田ともこういう人がいいんじゃないかと話しています。なるべく早く決めたい」と水面下で人選を進めていることを明かした。「プロ野球への参入について」と題して公表したプレスリリースでは「選手の力を最大限発揮させることができ、優れたチーム編成力を持ち合わせたGM、監督の人選を行っていきます」と明記した。

 会社として球団名に「モバゲー」を入れることを断念し、「横浜DeNAベイスターズ」で申請した。それでも春田会長の表情は晴れやかだった。球団買収のきっかけは東日本大震災で延期された開幕戦で、楽天嶋のスピーチだったと明かした。「野球は思っている以上に日本国民に染み付いている。それをパワーに変えられるということをあらためて認識させられた」。夏以降に本格的にTBSHDと議論を重ね、ようやくこの日を迎えた。「会社もまだまだ若い。球団としても明るく元気にという形にしたい。私を含めてなんですけど、みんな結構、負けず嫌いが多い。やっぱり勝ってくれる球団になって欲しい」と意欲を見せた。

 ◆高田繁(たかだ・しげる)1945年(昭20)7月24日、鹿児島県生まれ。大阪・浪商1年で夏の甲子園優勝。明大を経て67年ドラフト1位で巨人入団。68年新人王、日本シリーズMVP。71年盗塁王。外野で4度、三塁で2度ゴールデングラブ賞。80年引退。85年に日本ハム監督に就任し4年間でAクラス2度。92年巨人ヘッドコーチ、96、97年同外野守備走塁コーチ、98~01年同2軍監督。04年10月に日本ハム初代GMに。08~10年途中までヤクルト監督。家族は妻と2男1女。