石垣島で単身武者修行中の巨人東野峻投手(25)が10日、封印してきたシュートを解禁することを明かした。「右打者の懐をつくボールが必要だなと。シュートで内角を意識させられれば、スライダーももっと生きてくると思う」と話した。昨オフはチェンジアップを習得するなど、落ちる球に重点を置いてきたが、今オフは最大の武器であるスライダーを最大に生かす“新球”を磨き上げる。

 プロ1年目にシュート習得も「若いから真っすぐを磨け、と言われることが多かった」と封印。試合ではシュート気味に投げることはあったが、投球の基本である直球のキレ、スピードの向上に専念してきた。だが、1軍の先発ローテーション投手として3年目を迎えた今季、他球団に配球や球種を徹底研究され、前半戦は攻めるすべを失った。

 思い悩んだ時、飛び込んできたのがドジャース黒田(現在はFA)の投球だった。「力のある打者にシュートで懐を突いていた。内角を意識させることで、直球、フォークが生きている」。黒田の投球をヒントに、シュート解禁を決断した。今オフ、巨人がソフトバンク杉内、ホールトンらの獲得を目指す記事が紙面をにぎわすが「僕も負けたくない」と闘志を燃やす。この日は100メートルのインターバル走、加速走、ウエートトレなど約4時間のトレーニング。肉体改造とシュート解禁で、先発ローテを奪い取る。【久保賢吾】