巨人古城茂幸内野手(36)は「極寒野生トレ」で、勝負強さを磨いていた。23日、ジャイアンツ球場に姿を見せた古城は、オフの自主トレの様子を聞かれると不敵な笑みを浮かべて言った。「けがをするか、生き残るか。どっちかだったけど、生き残りました」。

 体作りは温暖な地へ-が主流の中、古城が向かった先は群馬県の某所だった。3日から15日まで、ただでさえ「ラニーニャ現象」で日本は厳冬に見舞われているにもかかわらず、そこは冷たい北風で有名な「赤城おろし」も吹きすさんでいた。最低気温は、ほぼ連日0度以下。体感ではマイナスの極寒世界が容易に想像されるが、「赤城山の粉雪にまみれながらやってました」と、にやりと笑った。

 そんな過酷な状況下で自らを追い込んだ。自主トレは昼食も取らずに1日5~6時間ぶっ通し。主に下半身強化に取り組み、メニューは「普通のではなく、痛めつけるようなうさぎ跳び」という一例を挙げると「見せられないぐらい、超ドMです」とベールに包むほどの、極限ものだったという。自主トレはプロゴルファー2人と一緒に始めたが「初日に帰りました」。10日から野球の練習も始めたものの、厳しい野生環境で己の牙を鋭く研ぎ続けた。

 昨季は虎の守護神藤川からサヨナラ本塁打を放つなど、野性の嗅覚を勝負どころで発揮し「茂ちゃんフィーバー」を起こした。そんな野性のルーツは、赤城山のふもとにもあった。今年もさらなるフィーバーに備え、近年恒例の野生トレでいじめ抜いた。この日、春季キャンプ1軍スタートが決定。サバイバルに生き残るべく、いぶし銀は今年も準備万端だ。【浜本卓也】