巨人村田修一内野手(31)が目指すはつなぐ「四球王」だ。2日、日大元監督の恩師・鈴木博識氏がキャンプ地を訪れた。鈴木元監督は、野手転向した村田を長距離砲に導いた“生みの親”でもある。「打点王」を目標とする教え子への助言として「四球」の重要性を力説した。「村田は四球が少ないでしょ。いいときはしっかり四球を選べている」。本塁打王を獲得した07、08年だけは四球数が55を超え、打率も自己キャリアで1、2位の高打率だった。「四球数を増やして打率も上げれば、3割30本はいける。状態も良さそうだしね」と、村田が巨人でも輝くための金言を授けた。

 恩師の言葉に、村田は「つなぎの意識」で応えるつもりでいる。この日も、打撃練習では丁寧にバットを振り続けた。強風で練習場所が屋外でなく室内に変更されたが、それが主な要因ではない。「去年は低反発球に苦労した。芯でしっかり、確実に捉えることを心がけている。ランナーをかえすこと、いい形でつなぐことが大切ですから」。本塁打王2度の長距離砲が、「つなぎ」を強調した。

 心配事も杞憂(きゆう)に終わらせる。昨年末、恩師の自宅を訪れ「頑張ります!」と誓ったが、逆に「周りに気を使いすぎないかな」と少し心配させた。だがこの日、ユニホームのズボン丈を膝下まで上げるオールドスタイルで練習した。「少しずつ雰囲気にも慣れてきました。似合うでしょ。試合でも、このオールドスタイルでいこうと思います」。巨人のユニホームで躍動する姿を見せ、恩師を「いい表情をしているよ。少年のようだね。つなぎの意識を持っているのは、すごくいいこと」と喜ばせた。村田の「巨人の名に恥じないようにやっていきます」の言葉には、うそも偽りもない。【浜本卓也】