大リーグ・レンジャーズのスカウトが8日、阪神・宜野座キャンプを訪れ、今季中にも海外FA権を取得する藤川球児投手(31)のブルペン投球に熱視線を送った。日本ハムのエース・ダルビッシュを獲得したばかりの強豪が、次は、球界を代表する守護神に注目しているようだ。

 今キャンプ初めて2日連続でブルペンに入った藤川は、ストレート、フォーク、カーブと今キャンプ最多の67球を投げた。ブルペンの脇から熱い視線を送ったのがレンジャーズの渡部スカウトだ。同スカウトは視察に訪れた意図は語らず、球場を後にした。ただ、阪神で、今季新たに海外FA権を取得する可能性のある選手は藤川と鳥谷しかいない。目当ては猛虎の絶対的クローザーである可能性が高い。

 藤川は大リーグ関係者の間では数年前から注目の存在だ。「藤川は今年、メジャーに行くのか?」。07年からポスティング制度でのメジャー移籍を球団に訴えていたため、毎年のように関係者は動向を見守ってきた。ポスティング移籍は認めないという球団の方針で実現しなかったが、今年、順調ならば海外FA権を取得する。そんなシーズン、真っ先に視察に訪れたのがレンジャーズだった。

 今後も藤川の視察を続けていくようであれば、本気で獲得調査に乗り出していると言えるだろう。国内だけでなく、海外からも注目の的となる今シーズン。早くも藤川の周囲がにぎやかになってきた。