巨人沢村拓一投手(23)が己の「肉体操作」に手応えつかんだ。9日、フリー打撃に登板し、阿部、実松を相手に49球を投げ圧倒した。安打性の当たりは、わずかに2本。球威のある直球を内外角に投げ分け、スライダーの切れも抜群で「前回よりも良かったです。徐々につかめてきた感じはありますね」と、納得の表情を浮かべた。

 オフ期間中に1日最大8食の増量作戦に並行して、ウエートトレーニングで肉体改造した。今キャンプは、ここまで昨季よりも6~7キロ増のパワーアップした肉体を生かした投球フォームの模索を続けてきた。「テーマはつけた筋肉を動きの中でどう獲得するか」。さらなる進化を追求する過程の中で「肉体=球威」の方程式を導き出しつつある。

 今後は14日の紅白戦を経て沖縄移動後初日(19日)の阪神とのオープン戦に先発する予定。この日の投球について原監督も「スライダーが切れているし、手応えもあったでしょう。彼本来が持つ荒々しい部分は変わっていない」と、2年目右腕に目を細めた。「正しいトレーニングをすれば正しい結果がついてくると信じている」。沢村が大きく首を縦に振った。【為田聡史】