和田阪神の連勝発進で、球児の弟分が急上昇!

 プロ7年目の阪神鶴直人投手(24)が開幕ローテーション候補に浮上した。14日、練習試合の広島戦(沖縄)に先発し、3回1失点にまとめた。2回に1点を失ったが速球勝負で立て直した。1月の自主トレで藤川に弟子入りして「劇的に変わった」と太鼓判を押された。球児の言葉に力投で応えた。試合は6-2で勝利した。

 大きく羽ばたく予感たっぷりだった。南国の強い陽光は、トラの鶴を明るく照らす。本領を発揮したのは3回だ。梵から始まるクリーンアップを相手にエンジン全開。迷いなく速球で押し、梵を中飛に抑えると、栗原にも力勝負。一ゴロで完璧に詰まらせた。3者凡退の好結果が進化の証しだった。2回の1失点を帳消しにする力投に首脳陣もうなずく。

 藪投手コーチ

 3回は球に強さが出てきた。あれを1イニング目から出してほしい。次が楽しみだね。(2回も)ガタガタせず、1点でとどまったのも成長。当然、先発争いに入ってくる投手だと思います。

 今季初実戦の立ち上がりは手探りだった。丁寧な投球を心掛け、変化球が多くなる。2回には1死一、二塁で白浜にスライダーを右前へ運ばれた。1点を失い、さらに一、三塁のピンチが続いたが、そこで崩れない。次のイニングはさらにペースアップ。主力を直球で攻め、まさに「まな板の上のコイ」だった。

 鶴

 3回は気持ちを切り替えて、思い切り行った。腕も振れてきたし、真っすぐで抑えられた。広島の主力と対戦できて自分にとってプラスです。収穫もあり、反省もありましたね。

 05年の高校生ドラフト1巡目で入団し、昨季までは結果を残せなかった。苦節のプロ7年目はブレークの兆しが漂う。1月は藤川に弟子入り。間合いを測り、パワーの伝わる投球動作を徹底的に追求した。師匠に「鶴は来るよ!

 劇的に変わったところがある。球、いきなり速くなるんじゃないかな」と言わしめるほどの吸収の早さだった。同じ高卒入団の守護神も7年目の05年に飛躍。境遇も似ており、期待は高まる一方だ。

 最速は143キロにとどまった。平均も140キロ前後で、不満げだった。

 鶴

 今までに比べると、指のかかり、球筋は変わってきている。1イニング目は置きにいった。それでもファウルをとれた。でも、まだまだ…。キレとか空振りさせたりしないと。(力加減は)40、50%くらい。半分もいっていない…。

 昨年10月からスマートフォンに自らの投球動画を数多く保存してきた。昨季公式戦、今季自主トレ…。比較研究し、必死にヒントを探る。「上体がそってしまう癖がある。イメージはできているんですが」。均整のとれた藤川の投球フォームも手本の1つだ。直球の球威、制球を高めるのが今後のテーマ。球児イチ押しのホープが、まずは心地よく飛び立った。【酒井俊作】