<オープン戦:ソフトバンク3-0DeNA>◇5日◇福岡ヤフードーム

 DeNA中畑清監督(58)が、オープン戦4試合目での初黒星にチームを一喝した。昨季の日本一軍団に投打とも圧倒されての3安打完封負け。前日に「ぼちぼち負けないと」と話していた“期待通り”の敗戦ではあった。だが反撃の糸口もつかめず静かに敗れた内容は「0-3だけど、0-10ぐらいで負けているような感じ。ある程度ギブアップしている空気。僕はそういうのが大嫌い」と厳しく批判。試合後に「今カチンとやってきました」と選手を叱咤(しった)した。

 5回まで無安打に抑えられ、投手はことごとく立ち上がりに失点。一方的な流れに抵抗すらできなかったことが歯がゆかった。3点を追う6回には荒波のチーム初安打で無死一塁としたが、バントのサインを送られた啓二朗は素直な犠打で1死二塁。だがベンチが期待したのは走者をためるセーフティーで「もっと攻めていけ」と即座に高木ヘッドが指導するなど、厳しさも前面に押し出した。

 昨季まで4年連続最下位の成績を踏まえ、中畑監督が変えたいのは何より負け癖を振り払うこと。「選手が高まって最後までやってくれたら言わないけど、今日はそういうものが初めて足りなかった。もしかすると去年まであったムードじゃないかと思う。それは一蹴したい。だからあえてはっきりと言わせてもらった」と、現実を突きつけられた若いチームに奮起の出直しを促した。【大塚仁】