<広島8-1DeNA>◇18日◇マツダスタジアム

 キヨシ、ひどすぎるぜ…。中畑DeNAが、6日にノーヒットノーランを食らった広島前田健に、またもひねられた。3安打を放ったが、8回無得点に封じられた。9回に元チームメートの2番手岸本から1点を奪い、7度目の完封負けを逃れるのがやっとで両リーグ最速で10敗目。チーム打率は1割9分6厘と、歴史的な貧打線に光が見えてこない。

 またマエケンにやられた。屈辱の2戦連続ノーヒットノーラン、そして完封こそ免れたが、悠々と8回まで投げられ3安打がやっと。外野に飛んだ打球が、わずか5本では、得点できないのも当然だった。中畑清監督(58)は「マエケンに翻弄(ほんろう)されてしまった。力のなさを認めないといけない。毎度おなじみで恥ずかしい限り。毎度同じコメントですみません」。会見途中、「もういいんじゃないか…。おなじみだぞ」と漏らした疲れ切った表情には、落胆の色がにじんでいた。

 チャンスはあった。2回、先頭のラミレスが全力疾走の二塁打で出塁。前回6日のノーヒットノーランから続く“無安打の呪縛”からは早々に解放されたが、後続が続かなかった。走者がラミレスだったこともあり、「早いうちに1本出たけどね…。作戦が立てられなかった」。足で揺さぶるなど、重圧をかけられず、打者勝負とせざるを得なかった。

 リベンジへの手は打った。8試合ぶりに梶谷を1番に据え、得点圏打率7割を超える中村を初めて3番に起用。作戦面では「外でカウントを取ってくるから、厳しいところでもファーストストライクに手を出していこう」(井上打撃コーチ)と、初球からの積極打撃を指示していた。前回は1球目からストライクの確率が高く、ファーストストライク22球のうち、18球が外角。しかし、序盤は内角球を多投され、井上打撃コーチは「ひと回り目はインコースが多くて面食らった部分もある」と、突破口にできなかった。

 広島戦5試合で、いまだ先発投手から1点も奪えていない。チーム打率は再び2割を切った。深刻な貧打に中畑監督は「いい投手を攻略するには、追い込まれては厳しくなる。でも早めのカウントで勝負するにしても、技術は必要。ベンチも選手もそこのレベルで戦う力をつけないと」と吐き出した。笛吹けど踊らずの状況に、もどかしさを隠せなかった。【佐竹実】