巨人原辰徳監督(53)が21日、同日に発売された週刊文春の報道による騒動について選手に謝罪した。この日は、今日22日のヤクルト戦に備えて長野入り。午後からの全体練習に向けて長野市内の宿舎を出発する前、選手、スタッフ全員を集めて「迷惑をかけたので、ここで謝罪します」と話した。日本一を目指すべく、リーグ再開前日にあらためて区切りをつけた。

 チームを率いる長としての、原監督のけじめだった。チームは長野へ移動後、練習前に市内の宿舎に立ち寄った。出発前の、午後1時。原監督は遠征に同行する全員を宿泊先ホテル2階の会議場に集めた。約2、3分。自ら、口を開いた。

 原監督

 今回、どうしてもみんなに説明しておきたいことがあります。野球以外のことでメディアを騒がせてしまい申し訳ない。迷惑を掛けたので、ここで謝罪します。

 女性問題に絡み「元暴力団員に1億円払っていた」との見出しで文春が報じた原監督の記事で、前日20日から周囲は騒がしくなった。多くのメディアがこの事象を報じていた。当然、選手の目にも入る。交流戦を初優勝で飾り、今日からはリーグ戦再開と、もう1度“開幕”を迎える。その前に、チームに動揺が走らないよう、率直な思いを伝えたかったのだろう。謝罪後は「球団は今、再発防止のために動いてくれているし、我々を正しく導き、守ってくれている。だから巨人軍の一員として、これからも報告の義務をしっかりと果たしてほしい」と続け、こう締めた。

 原監督

 私自身反省し、もう前に向いて動いているので、みんなもジャイアンツの一員として2月1日に話した「日本一」という目標に向け、これからも「結束」して頑張っていこう。

 約2時間後の、一塁側ベンチ。原監督は「選手の前でも、今日話をさせてもらってね」と、曇りのない表情で選手を見つめていた。

 今日からは2勝5敗1分けと相性の悪いヤクルト3連戦。しかも赤川、村中、石川のサウスポートリオで、交流戦初Vで波に乗る巨人の出はなをくじきに来る。勢いそのまま返り討ちに、の気構えはある。だが、原監督は「勝負事というのは、なかなかね」と闘志を内に秘めた。「また熱い戦いが明日から始まるわけだからさ」。再度、新たな気持ちで、リーグ制覇まで一気にいく。【浜本卓也】