<DeNA1-3巨人>◇24日◇横浜

 惜しい…けど好投に違いはない。巨人先発の内海哲也投手(30)が、敵地でのDeNA戦で7回2死まで無安打投球を演じた。9回2死まで1失点も、初安打を許したラミレスの場面で降板。完投を逃したが12勝目を挙げ、広島前田健をかわしてハーラー単独トップに立った。日本一となった1981年(昭56)復刻ユニホームでエースが躍動し、チームは6連勝。優勝マジックを29とした。

 背中が少しだけ悔しそうだった。9回2死二塁。内海が降板を告げられ、西村がコールされた。2試合連続完投まで、あと1人。帽子をとって、夜空を見上げながら、ひとつ大きく息を吐いた。「中継ぎ投手が(前日23日までの)神宮(3連戦)で、あれだけ投げていたので今日は特に長いイニングをいつもより強く意識した。最後、ちょっとだけ悔しかったですね」と、本音をにじませた。

 完投は逃がしたが、好投には変わりない。直球、変化球ともに低めに集めた。制球に気迫も加わり、左打者の内角をツーシームでえぐり、荒波、梶谷のバットを3本もへし折った。7回2死まで圧巻の無安打投球でアウトを積み上げた。「知ってはいたけど、自分にはできるはずがないんで。全く意識することなくマウンドにいられた」。ラミレスの三塁内野安打で快挙は夢と散ったが、三塁線の打球を止めた村田に「ツーベースをシングルにしてもらった。修さんに感謝しています」と頭を下げた。

 味方を思いやり、味方から信頼される内海らしい登板だった。先発3本柱を担う杉内が左肩違和感で登録抹消となった。「杉内さんが万全で帰ってこられるように、いなくなって投手陣が悪くならないように、僕と沢村で引っ張っていきたい」と、心に決めた。試合前に中継ぎエースの山口には「冗談ですけど『今日は最後まで全部投げるからな』って言っていたんで。少しでも気持ちが楽になると思って」と、疲弊しているブルペンにも気を配った。宣言通りの「全部」には届かなかったが、山口は「さすが内海さんです。有言実行ですね」と、感謝した。

 自分のためにではなく、チームのために。エースの自覚とプレッシャーを力に変えた。気がつけば自身5連勝で12勝目。セ・リーグトップに立った。12球団でもソフトバンク摂津、大隣に並ぶ快走だ。原監督も「チーム状態を自覚して完投するつもりでいってくれた。あと1人というところまでよく投げてくれた。それが一番です」と、たたえた。てっぺんに向かって着実に歩を進める巨人のマウンドには内海がいる。【為田聡史】