阪神が今季ツインズ傘下3Aでプレーした西岡剛内野手(28)、ヤンキース傘下3Aでプレーした福留孝介外野手(35)の獲得へ本腰を入れていくことが13日、分かった。10年にわたって打線の柱であった金本知憲外野手(44)が前日12日に引退を表明した。来季へ向けて最大の懸案事項となる「打線の中核」は外国人補強に加え、日本人メジャーリーガーで補っていく。

 金本の穴をどう埋めるか。引退発表翌日から阪神は難題と向き合うことになった。中村勝広GM(63)は理想は現有戦力の底上げだとしているが、長年、打線の核だった鉄人の穴を埋めるのは容易ではない。

 坂井信也オーナー(64=電鉄本社会長)が「チームとして(補強なしは)許される状況ではない。来年もお客さんを満足させるということもある」と補強の必要性を示しているように、人気球団という性質上、優勝を狙える戦力を整えるという使命感がある。新外国人のリストは球団首脳に渡っているが、それと合わせて「ポスト金本」の柱になっていくのが、すでに獲得調査をしている西岡、福留だ。球団首脳は日本人メジャーリーガーの獲得について「そういうこともある。話し合っていく」と本腰を入れていくことを認めた。

 西岡は10年オフにポスティングを利用して米大リーグ・ツインズに移籍。3年契約の2年目となった今季はマイナーで開幕を迎え、8月にメジャー昇格したものの、その後、ベンチ入り40人枠から漏れた。球団は日本復帰の可能性に備えて早くから調査していた。複数ポジションを守ることができて、鳥谷、平野との共存も可能。大阪桐蔭高出身で、ドラフト1位で指名する方針の藤浪の先輩にあたる。まだ28歳と若いこともあって、阪神の今オフ、補強の目玉となりそうだ。

 また、メジャー5年目の福留は6月末にホワイトソックスを自由契約となり、ヤンキース傘下3Aでプレーしたが、再び自由契約でシーズンを終えた。ただ、打力は衰えておらず、強肩を生かした守備力も健在。外野陣という補強ポイントにもマッチする存在だ。

 今日14日にも東京で行われる拡大編成会議で、南信男球団社長(57)、中村GMら球団首脳に、和田監督も加わって来季へ向けての方針を固める。フロントと現場の意見が一致すれば、本格的に補強策が動きだす。

 ◆西岡剛(にしおか・つよし)1984年(昭59)7月27日、大阪府生まれ。大阪桐蔭3年夏に甲子園出場。02年ドラフト1巡目でロッテ入団。05年にレギュラーに定着し、日本一。10年にはフルイニング出場し、206安打で首位打者、最多安打を獲得。ほかに盗塁王2度。10年オフにポスティングシステムでツインズ移籍。日本通算817試合、911安打、55本塁打、300打点、175盗塁、2割9分3厘。メジャー通算71試合、50安打、0本塁打、20打点、2盗塁、2割1分5厘。185センチ、79キロ。右投げ両打ち。

 ◆福留孝介(ふくどめ・こうすけ)1977年(昭52)4月26日、鹿児島県生まれ。PL学園-日本生命を経て98年ドラフト1位で中日入団。02年に初の首位打者、ベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得。06年には2度目の首位打者とMVP。07年オフにFAでカブス入り。日本通算1074試合、1175安打、192本塁打、647打点、3割5厘。メジャー通算596試合、498安打、42本塁打、195打点、2割5分8厘。183センチ、91キロ。右投げ左打ち。