<日本ハム5-4オリックス>◇17日◇札幌ドーム

 主砲のチャンスメークが、猛攻の発端だった。日本ハム中田翔内野手(23)が2点を追う4回、先頭打者として左中間を破る二塁打で出塁。2死後、ホフパワーから西川まで5連打、打者9人で一挙4点を奪った。「勝てたことがよかった。すごく(打線が)つながった試合だし、よかったですね」。個人よりもチーム。決勝打を放ったときと違わぬ、満足げな表情を浮かべた。打撃の状態は思うように上がらず、苦しんでいる。8月は打率3割3分、6本塁打と快音を響かせたが、9月に入ると安打が止まり、複数安打も今月7日オリックス戦以来9試合ぶりのこと。好機で凡退する場面も目立った。プロ入り初めての送りバントを失敗した15日の試合後には、「4番失格って書いてください」と自分を責めた。

 だが、努力を続ける姿は誰もが見ている。栗山監督は「翔が打つとチームが勝つみたいになっているよね」と、言う。それは偶然ではない。打線の核として、若きムードメーカーとして、そして敵チームへ与えるダメージの大きさを鑑みても、中田の一打には破壊力がある。あらためて思い知らされる一戦だった。