大きく育て!

 3年後には「4番サード中谷」の誕生だ。13日、阪神の秋季キャンプ視察に訪れた巨人OB広岡達朗氏(80)が中谷将大(19)のビッグプランを提唱した。

 肌寒い昼下がりのサブグラウンド。中谷は伊藤隼とともに広岡氏から個人レッスンを受けた。ゴロの捕球体勢から始まり、グラブを外してのスローイング。左足を上げ、太ももの下からのスローイングなど、手取り足取り基本をたたき込まれた。187センチ86キロの恵まれた身体に加え、元捕手の強肩。広岡氏は中谷に大きな可能性を感じていた。

 「いい身体をしているし、外野でのほほんとしているならサードで。あの身体と肩、しっかりしている。2年間やり抜けば、絶対レギュラーポジションを取れる」

 もちろん、簡単につかみ取れるポジションではない。広岡氏が育て上げた広島OB苑田、ヤクルトOB水谷ら名手を引き合いに出し「毎日やればモノになる。1カ月、2カ月じゃない。まずは2年間。担当コーチとノイローゼになるくらいやればモノになる」と条件を付けた。当然、中谷もその気だ。「うれしいですね。やれって言われたら、まだまだですけど頑張ります」と声を弾ませた。

 生え抜きの三塁手となれば、チームの核になる存在だ。和田監督はポジションはこれからとしながらも「大型サードはここのところいなかったんで」と成長を心待ちにしている。2年間、がむしゃらに練習し、15年シーズンから「4番三塁」に定着できれば、チームにとっても最高だ。3年後の成功へ、中谷物語がスタートした。【池本泰尚】