<DeNA5-4ヤクルト>◇1日◇横浜

 サヨナラのヒーローとなったDeNA金城龍彦外野手(36)は、出迎えた中畑監督から耳元にキスをされた。「びっくりしました。ありがとう、ありがとうって何度も言われて、うれしかった」。延長10回1死走者なし。07年4月以来4度目となるサヨナラ本塁打を右翼席に運び、前日の決勝打に続いて連勝に貢献した。

 2試合連続で1点差勝ち。ズルズル負けなくなったチームを、ブランコが説明した。「1球1球、集中しないといけない。そういう意味で、とてもいい勝ち方だったと思う」。7回に、3試合連続となる16号逆転2ランを左翼席に運んだ。5月に入っても、主砲の量産ペースは落ちそうにない。

 中畑監督も手ごたえを感じ取る1勝だった。負けても口癖のように「先発投手が崩れなければ、終盤には勝負ができるチームになってきている」と繰り返してきた。その思い通りに連日、7回以降に逆転した。「勝ちにこだわった1日だった。ぎりぎりの境界線で力を出して勝ったのは大きい」と満足そうに振り返った。

 総力戦だった。投手は大原しか残っていなかった。だから9回2死二塁のサヨナラ機にも山口をそのまま打席に送った。「同点に追いつかれたのは山口の責任。だから最後までまっとうしろということ」。1球に全員が一丸となる姿勢は見え始めた。【矢後洋一】