<ロッテ3-2西武>◇9日◇QVCマリン
ロッテが西武に延長11回サヨナラ勝ちし、8連勝で首位に躍り出た。1点を追う8回に井口資仁内野手(38)の左越えソロで追いつくと、11回1死満塁から暴投で細谷圭内野手(25)が生還した。7投手をつぎ込む総力戦で、8連勝は06年5月以来7年ぶりの快挙。伊東勤監督(50)は古巣西武に初めて連勝した。
お立ち台に上がったのは、勝利投手の伊藤と荻野貴だった。荻野貴は11回1死満塁、打席で西武大石の暴投を呼び込んだが、そこまでは4打数無安打。まさかの“4タコヒーロー”が、今季のロッテを象徴していた。「スター選手がいないんだよね。でもそれでいい。1人1人の力はしれてるけど、全員で束になってかかろうとキャンプから言ってるから」。伊東監督は満足そうにほほ笑んだ。
粘る。それが伊東ロッテのスタイルだ。今季21勝中、実に12勝が逆転勝ち。この日も負け試合をひっくり返した。すっかり西武野上の完投ペースだった8回、2死から井口が起死回生の左越えソロを放ち同点。開幕カード以来3度目の延長サヨナラ勝ちにつなげた。「接戦に持ち込めば勝てると、みんな思ってる。4番でちょっと苦しんでるけどね」。伊東監督は、経験豊富なベテランに中軸を任せるべきというのが持論。ここ2戦とも4番は無安打だったが、逆に言えば大砲に頼らずとも勝てる地力があるということだ。
投手だって総力戦。「8回松永→9回益田」の勝ちパターンを崩し、6回以降毎回の6人をつぎ込んだ。11回を3人で抑えた伊藤は2年ぶりの白星。伊東監督が「よく耐えてくれた」とねぎらうように各自が持ち場で踏ん張り、今季すでに12投手に勝利がついた。
5位に沈んだ昨季から大きな戦力補強もなく、開幕前の下馬評は6位予想が並んだ。期待の低さは、見返してやろうという選手のモチベーションになった。全員野球での下克上。開幕当初を除けば、昨年7月以来の首位浮上だ。それでも伊東監督は「そんなのは、みんなが頑張った結果にすぎない。今日は今日として、また明日から新たな気持ちで向かいたい」。“雑草”集団に、慢心などなかった。【鎌田良美】



