<広島1-7阪神>◇7日◇マツダスタジアム

 修羅場をくぐってきた男でも、天に祈る時がある。4点リードで迎えた8回表2死満塁。阪神代打桧山進次郎外野手(44)は広島小野のスライダーを打ちにいった。打球は一、二塁間をすり抜ける。二者が生還。「神様」の一振りで勝利が確定した。

 桧山

 自分にとっても、ラッキーだった。間にゴロが転がっていったから、「抜けてくれ」と思った。良かったよ。

 タイムリーとなると、6月2日のソフトバンク戦以来。得点圏で打席が回ってくることが多い。それを考えれば、2カ月ぶりの適時打は格別だろう。帰りのバスに向かうベテランの表情は、少しだけ緩んだ。

 快音を響かせれば、偉大な記録がついてくる。この日の一打で、代打通算155安打。元広島の浅井樹を抜き、セ・リーグ単独2位に浮上した。代打の通算打点も「104」とし、元中日の川又米利のリーグ2位に1差に迫った。

 周囲を楽しませてくれる記録だが、桧山は自らの出番に向けて黙々と準備するだけだ。負ければ、巨人にマジックが点灯。自力優勝の可能性が消滅する。8年ぶりの優勝を目指すチームにとっては、デッドラインすれすれの戦いが続いている。

 桧山

 そんなこと言っても、144試合やらなアカンから。1試合ごとにベストを尽くして、勝つことだけ。相手のことを気にしないと言えば、うそになる。でも、それよりも自分たちのゲームができたらいい。

 集中力を切らせなければ、チャンスは来る。それは打席もペナントレースも同じ。44歳のベテランがあるべき姿を見せた。【田口真一郎】