<DeNA1-0阪神>◇5日◇横浜

 DeNAが今季7度目のサヨナラ勝ちで、3カード連続勝ち越しを決め、3位広島に3ゲーム差と迫った。0-0で迎えた9回無死満塁、荒波翔外野手(27)が決勝打を放った。中畑清監督(59)は接戦を制しての勝利に満面の笑み。今日6日からは本拠地で広島との3連戦を迎える。直接対決で、一気にクライマックスシリーズ(CS)出場圏内へ迫る。

 荒波の打球が万歳状態のマートンの頭上を越えると、ベンチもスタンドもお祭り騒ぎだった。0-0で迎えた9回無死満塁からの決勝打。ヒーローを思いきり抱き締めた中畑監督は、会見場に現れると息も絶え絶え。「ナイスゲームですよ。今持てる力を出し切って、勝ちをもぎ取った試合でしたね」と、選手をたたえた。

 我慢比べで先に動いた。7回まで無失点の先発三嶋が8回2死一、三塁としたところで、中畑監督は山口に迷わずスイッチ。「山口がよくなってきているから(相手の)チャンスを摘み取ってくれる確信を持って送り出しました」。自信を持っての継投策でこの回を無失点で切り抜けると、9回も藤江が得点を許さず。この力投に打線が応えた。殊勲の荒波はチーム一丸の勝利を強調。「投手がみんな頑張っていた。中途半端なスイングはチームの士気を下げると思った。外の球に絞って思い切り振ることだけを考えました」という一打が、チームに今季初の1-0勝利をもたらした。

 これで自力でCSに進出できる可能性が復活し、3位広島とは3ゲーム差に迫った。この状況を報道陣から教えられると、中畑監督は「そんな情報はいいの。いい情報はあんまり慣れてないんだから」と笑ったが、すぐに表情を引き締めて言った。「投打で出し切った姿を継続して出したい。胸を借りるつもりで挑みます。明日頑張らないと(勝った)意味がない」。この勢いでまずは3連戦の頭を取りにいく。【佐竹実】