<日本ハム3-4オリックス>◇5日◇帯広

 日本ハムが、中継ぎ陣の緊急再編に乗り出す可能性が出てきた。オリックス戦の9回に、カーターがペーニャに被弾して3連敗。2位オリックスとは7・5ゲーム差に広がった。守護神クロッタの故障離脱で手薄になった救援陣の強化の検討をスタート。開幕から先発陣の一角を担い、この日先発したルーキー浦野博司投手(25)が配置転換されることが濃厚になった。継投策がカギを握る勝負の夏場へ手を打つ。

 現実を受け入れ、用兵をモデルチェンジする決定打になった。がっぷり四つに組んだ、同点の9回。カーターが崩れた。大砲ペーニャ対策で投入され、1ストライクからの2球目。捕手・大野は外角ボールゾーンにミットを構えた。直球に強いだけに真っ向勝負を避け、誘いにいった。カーターは「足が滑った。甘い球になってしまった」とバランスを崩し、絶好球の147キロが真ん中へ。左翼場外まで運ばれる特大の決勝弾を浴びた。一塁側ベンチは沈み、スタンドから悲鳴が漏れた。

 栗山監督ら首脳陣が大胆に、動く可能性が一気に出てきた。勝利の方程式の一角、守護神のクロッタが2日ソフトバンク戦で左斜腹筋の筋挫傷を負って離脱。実戦復帰までに最低3週間の事態に見舞われ、水面下では代替プランを検討していた。この日5回2/3を3失点と粘投した浦野を、救援陣へ配置転換。140キロ台後半の直球主体の本格派右腕で、三振奪取能力も高い。全球種の制球が良く中継ぎの適性があり、急場を任せることになりそうだ。

 先発陣は吉川、斎藤が復活気配を見せ、若手の中村、ベテラン木佐貫も控え、駒はそろってきた。栗山監督は「可能性はある」と浦野を、必勝パターンに据えることも視野に、投手陣の再整備へと踏み切ることになりそうだ。3連敗はすべて終盤まで接戦勝負で、落としている。「取れるモノ(試合)が取れていない」とジレンマある戦況打破へ、勝負に出る。【高山通史】