<DeNA6-2巨人>◇6日◇横浜

 ついに巨人に並んだ。DeNAが巨人に大勝し、今季の対戦成績を6勝6敗の五分にした。先発山口が6回を1失点と好投し、打線も15安打6得点と攻めまくった。巨人に勝率5割は12年開幕時以来で、中畑清監督(60)が就任してから、一方的にやられていた「天敵」に今季は互角の戦い。「1番桑原」の起用で攻めの姿勢を貫いた。

 余裕すら感じる万全の試合運びだった。高橋由を左飛に仕留め、巨人戦の今季6勝目が決まると、DeNA中畑監督は大きく手をたたいた。ナインを迎え、適時打を放った桑原の頭を何度もたたいた。「攻め続けないと勝てないチーム。とにかく隙を見せてはいけない。攻撃も、守りも攻めることができた」と納得できる試合内容だった。

 大胆に攻めた。その象徴が今季2度目の「1番桑原」起用だった。前夜はサヨナラ打を含む5安打と勢いに乗る3年目の21歳に託した。2回に多村の2ランで先制した直後の2死二塁の場面で、左前適時打を放ち、ダメ押しの3点目を奪った。中畑監督は「桑マン(桑原)は雰囲気をつくる。あの2ランの後の1点が大きかった」と称賛。この追加点が先発杉内にダメージを与えた。

 ムードメーカーの桑原を中畑監督は、「面白いやつだ。あいつがいると雰囲気が変わる」と人間性も評価する。3日の阪神戦(甲子園)では雨で試合開始が遅れる中、桑原はベンチ前で一発芸を披露した。奇妙な動きをしながら、阪神ゴメスに向かって「ゴメスもやれ」とジェスチャーし、相手を困惑させた。ずぶとい神経を持ち、「あんなことできるぐらいだから、打席では緊張しないですよ」と笑う。

 中畑監督の就任後では、巨人相手にシーズン最多の6勝目。4月2日の巨人戦で5点差をひっくり返されたことを反省し、点差はあっても三上、ソト、国吉の勝ちパターンを投入した。「まだこの時期だから。(4月2日の)自縛から解き放たれた感じがした」。まだ巨人戦は折り返しを過ぎただけ。ここから連敗しては意味がない。浮かれずにこのまま巨人と互角に戦えれば、きっとCS進出が見えてくる。【細江純平】

 ▼DeNAが巨人に連勝し、今季対戦成績を6勝6敗とした。DeNAが巨人戦で勝敗を五分としたのは12年4月15日(1勝1敗)以来だが、後半戦では横浜時代の11年7月27日(4勝4敗)以来3年ぶり。巨人に3連戦の勝ち越しは5月6~8日(2勝1敗)に次いで今季2度目。シーズン2度の巨人3連戦勝ち越しは11年(3度)以来。