父ちゃん!

 いつか、きっと巨人山口みたいになってやる!

 DeNAドラフト4位福地元春投手(24=三菱日立パワーシステムズ横浜)が、歌手佐野元春の代表曲「SOMEDAY」を登場曲に、球界を代表する中継ぎエースを目指す。プロ1年目に佐野元春の大ファンの父安夫さん(49)との約束を果たし、もっと大きな目標に向かって突き進む。

 プロ入り前から、これだけは決めていた。福地は横浜スタジアムのマウンドに上がる自らの姿を想像しながら、親孝行プランを明かした。「父ちゃんから1年目は登場曲に佐野元春さんの『SOMEDAY』を使ってくれって言われてるんで」。福地の名前の由来になったほど熱狂的ファンの父との約束を果たす。ただ、世代のギャップは否めず「その曲はどんな歌かもしらないし、聞いたことがない。E-girlsとかが、いいなって思っていたんですけど…」と無邪気に笑った。

 親孝行で駆けだすルーキーイヤーの先には、もっと大きな目標がある。「巨人の山口さんみたいに何年も連続で60試合とか投げられる投手になるのが理想」と、7年連続60試合以上登板中の鉄腕の名前を挙げた。山口同様に小さめのグラブを愛用し「大きくて重いと体が開いてしまう。小さい方が軽くて使いやすい」と理由を説明した。

 20日は新人合同自主トレ開始から3度目のブルペン入り。初めて座った捕手相手に42球を投げ込み「とにかく腕を振ることだけを意識した」とダイナミックに体をしならせた。今日21日のスタッフ会議を経て最終決定するが、即戦力としての評価で1軍キャンプスタートが濃厚。「僕は実績がないので、最初からどんどんアピールする。1軍でも2軍でもはい上がる気持ちを忘れずに2月1日から全力でいきたい」と前だけを見た。

 ドラフト後の指名あいさつで中畑監督から体重5キロの減量指令を受けたが、無事クリア。習慣だった晩酌も今は休養日の前日にだけビールをたしなむ程度に抑えている。苦手なランニングメニューにも歯を食いしばる。大学、社会人を経てようやくたどり着いたプロの舞台。福地元春は、信じる心をいつまでも忘れない。【為田聡史】