テーマは「学び」だ!

 阪神梅野隆太郎捕手(23)が25日、大阪市の大阪天満宮で「福玉まき」に参加した。本殿で必勝祈願を終えると、昨年とほぼ同数の約2000人の参拝者へ福玉を投じた。まもなくの開花に向け準備する「梅」の木を前に、2年目の意思が固まった。

 「(捕手は)頭を使うポジション。ピッチャーには最初にいろいろ聞いて、わかり合ってからブルペンに入りたい。わかった中でやりたい」

 学問の神様として知られる菅原道真に背中を押されたようだった。天満宮の象徴は「梅」。地元福岡には総本社の太宰府天満宮があり、参拝したこともある。今日26日には先乗りで沖縄入りする。2年目のキャンプ前に用意された貴重な体験は、何かの吉兆かもしれない。そうとなればあやかるしかない。

 「学び」のベクトルはまず味方投手に向ける。大きな補強がなかった今季だが、昨年コンビを組んだ投手にも新しいテーマが生まれている。何を主体に勝負するのか、球種は変わったのか、掲げる目標は何か。そういった思いをくみ取ることが第1歩だ。勉強に必死だった1年前の姿を、もう1度頭に呼び起こした。

 「2015年がいいシーズンになるように願えたのは良かった。ファンの方はグッズを持って足を運んでくれた。日本一になれるように頑張りたい」

 本殿から見下ろすと、神社とは不似合いな「梅ちゃんグッズ」の数々が見えた。そんな応援してくれる虎党と秋に笑いたい。球春到来を前に梅ちゃんの思考回路が定まった。【松本航】

 ◆大阪天満宮

 大阪市北区にあり「天満の天神さん」の愛称で親しまれる。学問・芸術の神様として知られ、949年(天暦3)に菅原道真公を主祭神として建立された。例年1月24、25日は「初天神梅花祭」に設定される。6月下旬からの約1カ月間は「天神祭」として多くの人々が訪れてにぎわいを見せる。