ゴジラを倒す!

 DeNA高橋尚成投手(39)が30日、巨人時代にチームメートだった松井秀喜氏(40)に“宣戦布告”した。同氏の沖縄・宜野湾キャンプ視察(2月5~7日)が決まったことを受け、打席に立ってもらっての「真剣勝負」をリクエスト。メジャー時代から恒例の先輩イジリで挑発?

 し、大先輩の訪問を心待ちにした。

 高橋は盟友を歓迎した。松井氏の宜野湾キャンプ訪問を聞き、「そんな機会があるとは思っていなかったので楽しみです。一番の思い出は02年に日本一となって、一緒に胴上げとビールかけをしたことですね」と、まずは優等生コメントで歓迎した。00年に巨人入りしてから、1年先輩の同氏とは仲がいい。

 ただし、コミュニケーションの仕方は少し変わっている。先輩を「ゴジ」と呼び捨てにしたり、お互いにわざと挑発し合うなど、漫才のような掛け合いで周囲を笑わせ、和ませてきた。エンゼルスに移籍した10年オフ、同氏がアスレチックスと契約したときも「インコースのサインが出たら投げます」と言うと、伝え聞いた同氏も「目をつぶっても打てる」とやり返した。

 今回はその“延長戦”だ。高橋は「チャンスがあったら打席に立ってほしいですね。倒してみせますよ」と大胆不敵に笑ってみせた。「向こうでは2、3回対戦したけど打たれていない」と自信を見せる。その半面、日本では弱かった。「聞かれたら、8打数5安打4ホーマーと言ってる」。実際に春季キャンプの紅白戦や日本シリーズ前のシート打撃、ヤンキースが来日した時のオープン戦で計4発を被弾した。

 2人の対決が実現すれば、喜ぶのは梶谷だろう。長距離砲ではないが、飛距離は日本人離れしている。「(松井氏に)聞きたいことはいろいろありますが、それより打ってほしい。体の使い方を見たいです」と言う。今季は1番を予定しており、技術を盗んで1発のある切り込み隊長になれれば理想だ。

 昨年11月16日コボスタ宮城で行われた巨人-阪神OB戦で松井氏は「3番右翼」で出場し4打数4安打。あと1歩でスタンドインの特大二塁打も放った。豪快なスイングは健在で、DeNAナインにとってもお手本となる存在。ゴジラVS高橋が実現したら、生きた教材になりそうだ。【矢後洋一】

 ◆松井対高橋

 公式戦では松井がアスレチックス、高橋がエンゼルスに所属した11年に2打席対戦。左直と右飛で高橋に軍配が上がった。オープン戦では04年3月28日に東京ドームで松井がヤンキース、高橋が巨人で対戦。松井が2回にバックスクリーン右へ推定飛距離144メートルの特大本塁打、4回に右前打を放った。高橋は当時「これで9打数7安打4本塁打かな」と、松井が巨人在籍時の紅白戦で打たれまくった記憶をたどっていた。