テレビカメラ9台と約100人のファンに見守られて7日、広島前田健太投手(26)が今キャンプ初めてブルペンに入った。ワインドアップでゆっくりと、感触を確かめるように30球。捕手を立たせたままながら、視線をくぎ付けにした。ここぞで打ち取れる直球を目指し、第1歩を踏み出した。

 「順調です。最初なので気持ち良く投げることですね。ゆっくり仕上げていきたい。何も気にする段階ではないので」

 今季は直球がメーンテーマだ。昨季は「選択肢があれば、直球ではない方を選ぶことが多かった」が、進化を目指して質とスピードを追求。トレーニングも質、量を上げてきた。「自分でいいと思っていても簡単に打たれたりすることのないようにしたい」。究極の理想は、迷ったら直球。分かっていても打てない直球で封じることだ。

 毎年、平均球速は上がっている。「今までのやり方で。さすがに160キロは投げられないと思いますが、限界がくるまでやっていきたい」。キャンプイン前日に緒方監督から公開指名された開幕投手だけのためではない。24年ぶりの悲願へ、尽きない向上心で直球を磨く。【池本泰尚】